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政策委員会 第1回


我々の目指すべき自民党の基本理念について
(フリートーキング)

平成21年11月5日
発言趣旨
下村博文政策委員長
  • 今まで自民党の旗は何なのかということが明確ではなかった。その旗を明確にすることが自民党の再生に繋がり、それらをあえて清和研の中で議論をすることが必要であると考える。
  • 1回目の今日は保守主義つまり日本的なアイデンティティを持った政党は何かという内容で議論する。
    定義も議員によってまちまちなので意見を出し合いながらコンセンサスを見出しつつ、保守としての政党を明確に理論づけたい。
  • 今後はさらに外部の方を講師として招き、議論を深めながら、最終的には1冊の本にまとめることが出来れば良いと考えている。
谷川弥一委員
  • 侘び寂びを中心とした日本文化が、占領政策、日教組らによって破壊されてきた。もう一度衣食住といったところから大和心に立ち戻るべき。
  • 自民党は職業、地方に関しての考えが欠落している。
  • 経済成長という観点からは、例えば医療に特化して世界中の金持ちを日本に寄せるような政策もあってよい。
山谷えり子委員
  • 日本は神仏混合で皇室を頂きながら大きな家族のように生きてきた農耕民族。民主党の進める戸籍解体、外国人地方参政権といった主権国家の解体に対抗して、「外国人土地法」のような思想が違う法律を具体的にぶつけていくことが大切。
松野博一委員
  • @イデオロギー的なアプローチ(良質な保守とは何か)と、A生活面に対するアプローチ(国民負担に対する責任あるアプローチ)をしていくべき。国民負担率を上げ、医療、介護、保育、教育に関しては保障していく政策を民主党よりも先に打ち出すべき。
  • 自民党がターゲットにすべき層は、連合や日教組に所属していない多くの人たち。
礒崎陽輔政策副委員長
  • 精神的アプローチ(国は守れても地域や家族を守れてこなかった)、福祉施策、景気対策、この3つの話の全体をリードするような指導理念が必要。
長勢甚遠委員
  • 戦後、個人至上主義、成長至上主義により家族がつぶされてきた。何よりも家族を中心とした社会、家族の自立という考え方が大切。個人的には公的年金制度は廃止して、医療や介護にまわしたほうが財政的な負担減にも家族の自立にもつながると思う。
中山恭子委員
  • 自民党はこれまでのものと大幅に違う政策を掲げても良い。
  • 官僚を牛耳り、行政・立法・司法の上に党があり、独裁的な社会主義体制が見える民主党の問題点も検討する必要もある。何人かの学者を頼んで分析をしてもらっても良い。
  • 生活保障の分野では、経済発展ということを中心において、豊かになるという方針を採るべき。
北村茂男委員
  • 政権奪回への短期的な視点と、自民党はどうあるべきかという長期的な視点が必要。政権維持の為に立党の精神を忘れてしまって、社会主義的政策をとってきてしまった。



下村博文政策委員長
 先週の総会後の政策委員会正副委員長打合せ会議で、これから政策委員会でどんなことを議論していくかという打合せがあった中、今、民主党が進めている政策は非常に社会主義的な大きな政府、ばらまき政策であると。しかし、国民から見て、そこまで大きなばらまきではないにしても、定額給付金等、では自民党はどうなのかということが国民から見てわからないし、実際に次は政権交代といっても、民主党に代わる自民党の旗は何なのかということがはっきりしないのではないか。自民党が自民党であった所以は、政権政党であったということであって、結党の精神ということはあったにしても、それ以降の50年間の政策の中で、明確に保守主義政党としての理念とか政策が本当にあったのだろうか。改めて政権交代の受け皿となるべき、今の民主党政権と、社会主義的な政策とは大きく異なる明確な旗を打ち立てなければ、自民党に政権が戻ってくることは難しいのではないかという議論がありました。
 本来は、これは党で、議員が参加する中できちっと党内議論をしていくべきことだと思うのですが、党では政権構想会議というのはありますが、これはクローズですから、実際どんな議論がされているかわからない。こういう中で、清和研の中でしっかりと、民主党に代わる大きな、なおかつ明確な旗をどう打ち立てるかということがこれから必要ではないかと。
 そのために、まず1回目は、保守主義、あるいは自民党の目指すべき旗。保守主義といっても、それぞれ明確な定義があるわけではなくて、議員それぞれ考え方が異なっている部分もありますし、そのへんのコンセンサスづくりも含めて、各議員がそれぞれ話をして、それ以降は、自民党の拠って立つところ、そして日本の拠って立つところ、つまり日本的な政党とは何なのかと。それが保守主義政党と言ってもいいかもしれませんが、そういう保守としての、あるいは日本としてのアイデンティティー、それを目指した政党。これを明確に理念づけることによって、大きな旗を打ち立てることが、自民党の再生になるのではないかと。
 こういうテーマに添って、これからそういう関係の外部の方々もお呼びしながら、議論を深めていって、できたら一冊の本にまとめるような、そしてそれを世に問うような、そういう積み重ねができればということです。
 その中で、私自身の最近起こったお話を申し上げます。たまたま私の同じマンションにこの3月まで国交省の港湾局長をやっていた人で、来年の参議院の比例に自民党から出馬予定で、すでに4〜5ヵ月間ぐらい準備をしていた方がおられて、その方が出馬断念せざるを得ないということで、一昨日、私のところへ来られました。
 理由は、国交省の前原大臣が、国交省の幹部を呼んで、その人の選挙の応援を一切するなと。港湾局長でしたから、その関係の各種団体、業界団体があるわけです。そういうところが動いて選挙に出る予定だったのですが、大臣から各種団体等への働きかけも一切するなという指示があり、それから本当にパタッと動けなくなった、あるいは動かなくなった。これではとても選挙に出られないということで、新人ですので出馬断念せざるを得ないということで来られたわけです。
 これはある意味では自民党そのものの象徴でもあるのではないかと思うんです。すべての省庁に対しても、それぞれの業界関係団体に対しても、選挙を含めて、一切自民党とはかかわるな、もしかかわるのであればそれなりのことを考えるというような脅し等があって、このままいくと、自民党そのものが政権政党であったためにいろんな業界団体、関係団体とのつながりがありましたが、逆に野党になって、なおかつ民主党政権が、露骨に締めつけというか、そういう徹底をすることによって、このまま干上がるということになってくると思うんです。それに対抗するためにどうしたらいいかといっても、政権政党であったがゆえに対抗できたわけですが、今度は政権政党ではなくなったわけですから、同じ土俵に立って闘えないということの中で、われわれがその旗とは何なのかと。ただ、旗を立てるだけでなく、国民的な、ある意味では草の根的な、各種団体だけでなく、広く国民の多くの方々の、これは政治運動でもありますから、協力、支援がなければ、政権奪還のための大きな流れをつくるわけにはいきません。そのための戦略、戦術をきちっとつくらないと、政権政党に復帰するのは非常に厳しいということを感じております。そうすると当然、今までの省庁関係とか、あるいはそれに関係する各種団体の意見を聞きながら、その方々の意見を反映するということも当然必要ですが、プラス今まで接点がそれほどなかったnpo関係とか、あるいは草の根的な組織とか、あるいは組織もないようないろんな関係の方々とか、幅広く、ウィング……思想的なウィングではありませんけれども、選挙的な広がりもつくっていかないと、とても無理だと。
 ただそのときに、では自民党は何をする政党なのか、どんなことを目指しながらこれから日本を再建していくのかということを明確にしていないと、ただ応援してくれということだけでは、野党の自民党を支援するという新たなつながり、接点をつくることはなかなか難しい。
 打合せ会の話の中で、自民党の目指すべき旗として、保守主義政党としての日本の伝統・文化を大切にするとか、家族、地域、国との絆。あるいは家族を愛し、地域を愛し、国を愛するという、本来日本人が持っている、ひたむきに、真面目に、勤勉に、額に汗して働く人たちが報われるような、そういう政治と、まずは自助、一人一人がいかに一生懸命頑張るかという人たちをどう応援するか。民主党が目指している、あるいはやろうとしているのは公助であって、ばらまき的なものだから、まず自助努力。そういうような議論が出ておりましたが、それを具体的に政策として、大きな旗として、自民党が民主党に代わるものを打ち立てるということだと思います。
 そもそも民主党も、広い意味で言えば、マスコミ的に言うと保守党だと。つまり保守党が二つあるのではないかと見ている人もいるわけです。55年体制のような自民党と社会党、そういうイデオロギー的な対立における位置づけでないことは事実ですから、政策的には社会主義的な政策を民主党政権がしている。しかし、国民から見ると自民党とそれほど変わらないのではないかと見られている部分がある中で、より自民党が鮮明な大きな旗を、わかりやすくどう打ち立てるかということが問われているのではないかと思います。それを、党内議論がなかなか設定されていない中で、清和研の中できちっと打ち立てていこうということです。
 以上の問題提起の中で、先生方からこれに添ってご意見等をお出しいただきたいと思います。
谷川弥一委員
 自民党は今までの発想では闘いはできません。一番近い農業団体すら離れかかっています。そうすると、いま委員長がいうような方法でしか闘えない。
 人類の歴史というのは長い、大きな二本の大河があるじゃないですか。一本の大河は自由の獲得、もう一本の大河は貧乏からの脱出ですよ。この二本の大河という物差しで見たら、大和民族、日本民族というのはけっこうな成果を出しているではないですか。基本的にもうちょっと自信を持っていいんだというのが一つ。
 もう一つは、日本の真面目な、コツコツ働くという、自分のことは自分でやるという、ひとの世話になるのは恥ずかしいという、長い間営々と築いてきた文化が、戦後、アメリカの占領政策によって完璧に破壊されたではないですか。そしてすべて、自分が幸せならば、あとは野となれ山となれという民族になってしまった。
 われわれの文化というのは何だというと、結局仏教なんです。禅なんです。「ヴァヤダンマー サンカーラ アッパマーデーナー サンパーデートゥハ」は、お釈迦様の遺言です。ありとあらゆる存在物は刻々と壊れて、消えてなくなる仕組みにある、その壊れる瞬間から目をそらすな、そして努力しろ、営々と努力しろと、こう言っているんです。日本人というのはほんとに全文化でわび、さびを築いてきたんです。
 そして、ほんとにそこはかとない風情の文化を築いてきたんです。障子であり、襖であり、畳であり、そういうのがきれいになくなってしまっている。なんでこうなったかというと、アメリカの占領政策。日本の伝統文化を破壊せよ。それから経済をたたきのめして、食うや食わずにしておけ。それが変わったのは中共ができた1949年。これは防波堤にせんといかんとアメリカが気づいて変えただけであって、基本的にはやっぱり日本人というのはズタズタにされましたよ。その先兵が日教組だった。こういうことをもういっぺん、声を大きくして、足元から見直そうよ。衣食住というのももういっぺん、大和心に返ろうよと。こういう運動をすれば、そこである種の理論武装はできると思っているんです。そして、まずどうするかというと、結局、将来を憂うる人間を集めていかん限り、われわれの拠って立つ基盤はなくなっている。
私は選挙でこう言ったんです。「今度の選挙は一家の大将を選ぶんですよ」と。そして家庭に置き換えて、鳩山さんというおやじと麻生さんというおやじと2人おる。一つは、家族を集めて旅行に行くか、きものを買うてやるか、ステーキ食うね、饅頭どうか、朝から晩までそんなことを言うおやじと、こら!勉強せんか、体は鍛えんかと言うおやじと、どっちを選ぶかという選挙ですよと。言えばわかってくれたんですね。一生懸命お願いすればかわってくれる。そういうことを話し合う場をつくってほしいんです。
 言いたいことは、基本からやり直さなければダメだと。そして、米を食おう、檜で家をつくろうという、そこらへんまで行かない限り、完璧に衣食住、考え方から全部、アメリカに浸食されているんですから。
 一つだけ真剣に考えていただきたいのは、こないだの所信表明演説は異常だった。一人の人間が演説をする、ウワーッ!という、これは怖いというか不愉快というか、ああいう場に居たたまれない。文化がない。風情がない。ほんとに品がない。民主国家の人間じゃないですよ、もうここまできたら。
 そして最後のお願い。テレビに出す人間を、自民党という名を語るなら、どっかの機関で選別してほしい。そして、おまえはどういうことを話すのか、目的は何か。自分の顔だけを売るような意味でテレビに出られたら、われわれはとてもとても、今からは選挙は戦えない。人格の勝負ですよ、政治家というのは。哲学はあるのか、宗教心があるのか、文化、素養はあるのか、全部。学歴なんか関係ない、悪いけれども。
山谷えり子委員
 日本というのは神仏集合で、皇室を戴きながら、長い長い歴史を紡いできた国です。しかし、民主党は日本は悪い国だというような歴史観を持って、すべてを階級闘争的に考えようとする考え方を持っている政党だと思っています。農耕民族で皇室を戴きながら大きな家族のように生きてきた私たちのご先祖さまが、正直、親切、勤勉、チャレンジ精神、親孝行、そして節度、品位、礼節というような素晴らしい日本の文化をつくってきた。経済活動に関しても、会社自体が家族のような形で、みんなが一体となって懸命に働いたがゆえに、戦後、焼け野原からたった20年ちょっとで世界第2位の経済大国になることができたわけです。
 この底力を否定し、破壊しようとしたら、国力はそがれていく放題です。親方日の丸の自治労、あるいは日本は悪い国だと教えて、ゆるみ教育、道徳教育を否定して、過激な性教育を一生懸命する日教組によって次の世代が育てられていくことは、日本の未来を奪うことになると思っております。
 私はこの前の総選挙で、マニフェストに、「日の丸選挙」主権、国益、国柄を守るを前面に出す。そして日の丸を疎かにする民主党、あるいは東アジア共同体などという日本の存在が地勢学的にもわかっていない民主党に任せるのかということを訴えてほしいと言いましたが、総選挙のマニフェストは総花的にならざるを得なかったことを残念に思っております。
 例えば国が大きな一つの船だとして、乗船の一人一人の言うことをすべて聞いていたら、船というのはもたないと思うんです。国家というのは船ですよと。しっかりした国家があり、基礎単位の家族があるがゆえに、一人一人の素晴らしい生活が守られるのですという、この本来の考え方を取り戻していくことが大事だと思います。国家観、主権、国益、国柄を守る政治の本来のつとめを訴えてほしい。  民主党は、夫婦別姓を入り口にして戸籍解体ということを目論んでいます。また、外国人地方参政権の問題もあります。あるいは日本列島は日本人だけのものじゃないなどという。私、「わが国の領土を守るために行動する議員連盟」の会長をやっておりますが、対馬の自衛隊の基地の周りが韓国資本によって買われていっている。あるいは横須賀の基地も中国やロシアの方たちが買いたいと言ってきている。あるいは森も中国の方たちが買いたいと言ってきている。森が買われ、水が汲み取られるようなことになれば、日本の豊葦原瑞穂の国というのはどうなっていくのか。そこで、議連で「外国人土地法」というのもつくりたいと思っているんです。外国人が安全保障上、地下資源、天然資源の保全上、文化保存上、大切な場所を買う場合は、政府の許可がいるという法律で、日本は大正時代にありました。今、アメリカや韓国にもあるものです。そうした思想が違う法律を具体的にぶつけていくということも大切なのではないかと思っております。
松野博一委員
 これから議論を進めるにあたって、二つアプローチを整理して進めたほうがいいと思います。
 一つは、精神的な面に対する、イデオロギー的な面に関するアプローチをどう提言していくか。これのキーワードは、良質な保守とは何かということ、日本のアイデンティティーとは何かということだと思います。
 ただ、もう一つ、生活面に対するアプローチをどうしていくかということ。これは行政システム、制度も変わるわけでありますが、これに関する提言も同時に言っていかないと、国民に対してわかりづらい提言になってしまうと思います。その分野に関してのキーワードは、やはり責任ということだと思うんです。
 国の形を決定するのはとどのつまり国民負担率の問題だと思いますから、国民負担率をどうするのかを議論しなければいけないと思いますし、再分配のあり方をどうするかという議論をやはりしなければいけないと思います。確かに市場主義だから自助努力が一番ですが、小泉内閣のときに、戦後最長の成長期間と言われながら、中小企業の労働分配率は上がりきってしまって、かつ可処分所得は下がっている。ということは、成長戦略だけでは、日本の大半を占める中小企業、またそこで働く人たちの生活は向上しないということが、あの何年間かで示されたということだと思います。だから、再分配のあり方についてどうしていくのか。
 おそらく打合せ会の中で保守主義、小さい政府という議論があったのではないかなと。しかし、国民皆保険制度があり、国民皆年金制度がある日本における小さい政府というのはいったい何だろうというところも、よく検証しないと。特に医療、介護、保育、教育、この分野に関して、どういったセーフティネット、どんな環境に生まれても挑戦する機会の均等を与えられるんだという面は、保障していく政策を自民党は打ち出すべきだと思います。
 それだと民主党と違いがわからないではないかということになるかもしれませんが、一番の違いは、まだ民主党は国民負担に関する責任ある提言をしていませんから。これはいろんな異論があると思いますが、どう考えても国民負担率を上げざるを得ないし、その上げ方も、このままでいくと財政がもたないとか、年金がもたないとかという消極的な提言ではなくて、これは個人的見解ですが、むしろある一定程度負担してもらって、さっき言った医療、介護、保育、教育という部分を充実したほうが国民にとって快適な日本になるという提言も、思い切って先に自民党がしたらどうか、清和会がしたらどうかと思います。
 これは負担率は下げるべきだという議論もありますから、ぜひ小さい政府が前提だということではなしに、まず小さい政府とは何かという議論と、その中における、さっき言った4分野を中心としたセーフティネットの議論を織り込んで、議論を進めていただければと思います。
下村政策委員長
 保守主義だから、自助努力だから何でも本人がやれということでの小さな政府ということではなくて、国民にとって、より絆を保ちながら社会の中で安心して暮らしていけるということも、今の生活の中での、ある意味では守るという意味での保守ということだと思います。
 アプローチについてぜひ問題提起したいのは、例えば生活保護の問題があって、本来日本人の美意識として、あまりひとの世話になりたくないというのがあったと思うんです。ところが、例えば私の選挙区の板橋など、生活保護所帯が10%を超えていて、昔はできるだけ生活保護を受けたくない、まず自分で頑張るということだったんですが、親が働いていないから、逆に言えば生活保護を受けるのが当然だみたいな、そういう形になってきて、今の福祉が、より怠惰な人間、もらえるものだったら何でももらうというような形で、よかれと思った福祉が逆に、結果的にダメにしてしまうという部分が出てきています。
 一般における生活保護を受けていない母子家庭のほうが、実際は所得がはるかに低いわけです。生活保護を受けている母子家庭のほうにさらに加算するということですから、非常に不公平で、こういう部分について、選挙においても自民党がきちっと反論しきれなかったと。
 これも大きな問題点だと思いますが、そのへんにバックボーンとしての理念とか思想があって、福祉をしっかり切り込んでいかないと、ばらまき的な、競争的にポピュリズム的なことになってくると思います。
礒崎陽輔委員
 基本的には精神的アプローチがあるんでしょう。国を守り、地域を守り、家族を守るんだということをしっかり言うべきだと思います。国は間違いなく守ってきましたが、地域と家族は守れてこなかったのではないかという気持ちが強いです。そこをもう一回、今、しっかりやらなければいかんと思います。
 今週はnhkが3日連続で、十六年前からの話をずっとまとめてくれまして、まとめてもらうとよくわかるんですが、一つ思ったのは、先輩方に失礼ですが、十六年前に一つ、自民党が終わっていたなと、あれを見たら思いましたね。あれからずっと延命をしてきて、結局延命ができなくなって、今度の敗戦になったんだという感じが本当に強いわけです。だから、そこのところのなぜ終わったかという話も一つ考えなければいかんと思います。
 構造主義との問題もありますが、今からの勝負は、いま言った精神的バックボーンが一つはあるけれども、もう一つは、国民が豊かになるかどうか、これが最後の勝負だと思うんです。
 経済を考えるときに、日本の福祉をどうするかという問題と、もう一つは、景気対策をどうするか。そこは今、民主党はものすごく隙があります。全然考えてないから、そこのところはきちんと打ち出さなければならんと思います。
 そうすると、さっきの精神的なものと、福祉的なものと、景気対策的なもの、言葉は別として三つぐらいあるんですが、要は、そういう三つの話を、全体をリードするような指導理念というのが要ると思うんです。こういう理念でやれば大丈夫だと。いま言った精神バックボーンも大丈夫だ、生活も大丈夫だ、景気も大丈夫だというようなことを言っていかないといかんのかなと。
とにかく経済がよくならなきゃいかんし、今は民主党は非常にいい加減だから、そこのところはぜひ衝いていただきたいというのが、私の意見です。
下村政策委員長
 遅れてこられた方にちょっとお話し申し上げますが、今日は民主党から政権奪還をするということにしても、民主党に取って代わる明確な、国民にわかる大きな旗がないと、政権奪還は難しいのではないか。民主党に代わる大きな旗、自民党がそれをつくる。しかし、自民党の平場の中ではそういう場がなかなかないので、清和研の中でそれをきちっとつくったらどうかという中での、いま議論がなされております。その前提でご参加いただければと思います。
長勢甚遠委員
 私がずっと思ってきたことは、戦争に敗けてから60年間、個人至上主義、成長至上主義が日本の流れをずっと進めてきたと思っています。その結果として何が起きたかというと、家族が潰されたということがまず最大限で、家族が潰れるということは天皇制の否定に直結してくる思想だと思っています。
 大変驚いたのは、今度の子ども手当で、民主党はどう言っているかというと、子どもは社会からの預かり物だ。だから、親と子の関係というのは預かり物の関係だから、いずれ返してもらうんだ。簡単に言うと子ども手当というのは預かり賃だと。そうすると、親孝行もへったくれも何もないことになる。本来、子どもというのは天からの授かり物だったのが、いつの間にか預かり物になっているというところに大変ショックを受けているわけです。
 だから何よりも家族を中心にした社会というものを考えていくのが本来の日本のあり様ではないか。したがって、自立自立とよく言いますが、これは個人の自立ではなくて、家族の自立という考え方が入らないと、どうしようもないんじゃないかと思っています。
 日本は戦争に敗けて、絶対的に所与の要件としてあるのは、日本が敗戦国家であるということと、資源のない国であるということです。そのことを踏まえた上で、どうあるべきかと。経済大国で第2位になったとか1位になったとかというのは、日本にとっては非常に不幸なことだったと個人的には思っている。そういうことを踏まえて経済政策も考えていくべきだと思っています。
 生活の話がありましたが、16年の年金法改正というのがありました。あのときに私は厚生労働委員会の筆頭理事だったんです。衆議院では円満に採決をして可決された。そのポイントは、16年の改正法の附則に社会保障の一体的見直しということが、国会修正されました。社会保障全体を見直ししないと、今までは年金、医療、介護、福祉、それぞれがよくなればいいという話で全部やっているんです。つまり、縦割り行政になっている。
 そうすると結果として、年金はよくなった、医療もよくなった、介護もよくなったときには、気がついてみたら保険料を全部合計すると、個人が払う保険料、会社が払う保険料が幾らになるのかという視点が全然ない。それを全部合わせて生活が成り立つのか、どういう生活になるのかということを考える視点がない。それを議論しようということを、当時の経団連、連合の人たちと話をして、あの修正案をまとめたんです。しかし、その一体的見直しをした結果がどういうことになるのかということがまだ議論がされないうちに、今日に至っています。
 私個人の意見を言うと、公的年金制度というのは廃止すべきだと思っています。この制度がいかに家族を滅ぼし、社会をおかしくし、個人の権利という話になってきたか。むしろそこの財源は医療とか介護とかに回したほうが、全体としても財政的な負担が少なくなるし、社会も復活できると思っているんです。こういうことは選挙向けということを考えると適切でないし、そのまま生で出すわけにはいかないと思いますが、ぜひそういう観点もご議論いただければ大変有り難いと思います。
中山恭子委員
 まず総論と個別のテーマに分けて考えることが必要だと思います。総論では、自由民主主義と社会民主主義の考え方の違いを分かりやすく説明し、自由民主党と民主党の体制及び政策の違いを明らかにし、民主党の問題点を示す。自民党が大切にする日本の伝統や社会秩序などを示すことも大事であると思います。
まず体制の面について、今民主党が進めているやり方は社会民主主義の体制を基礎としていることを指摘する。例えば民主党のいう政治主導は党主導と言い換えるべきものであり、この党主導と日本の政治の基本である三権分立とは相いれないものである。また、地方、地域との関係も大きな問題点として指摘できます。民主党政権では、党中央が決めたことないしマニフェストが絶対であり、それが地方に関する政策を規制することとなっています。地方の自主、自立は全くなくなってしまうと考えられます。地域の皆様とか国民とか、美しい言葉が語られますが、実態はそうではないということを明確に伝える必要があると思っています。
民主党政権のとっている体制は自由主義社会を維持するうえで根本に関わる問題であります。何人かの学者の方に頼んで、政治体制の分析をしっかり行ってもらうことも必要だと思います。
過去に社会民主主義が美辞麗句を使って、独裁体制を作り上げたように、現民主党が独裁的な人物と結びついていることも要警戒です。民主党の持つ危険性、問題点を指摘したうえで、自民党がこれまで維持してきた自由民主主義、自由主義体制の大切さを示す。  
多くの方々からご発言のあった個別の政策については、それぞれの問題点を指摘し、自民党の政策が日本の心を大切にし、日本を豊かにするものであることを告げるのが良いと考えています。
経済政策について言えば、例えば、個別所得補償や子供手当など一律の画一的平等を推し進め、経済の活力を失わせる政策などはその弊害を明確に指摘できるものです。機会の平等と結果の平等の違いを示すことが大切だと思います。また高速道路の無料化などの国有化への傾斜、経済政策の長期ビジョンの欠如が日本経済に如何に大きなダメッジを与えるか、明確に指摘できます。
教育の問題については、日教組の政策を基礎に置いた教育政策を取る民主党の実態、そしてその子供たちの将来に与える影響の恐ろしさなどを指摘し、民主党政権と自民党との明確な差異を示す最も有用なテーマであると考えています。
外交、国防問題など、いろいろなご指摘が既になされているとおりです。
「ちょっと変だな」と思っている多くの人々に、民主党政権の持つ危険性を分かりやすく適切な言葉で説明することが肝要です。差異を指摘することで、自民党らしい真の保守の考え方を示しやすくなると思います。
松野委員
 それぞれ先生方のお話にそうだなと共感しながらお聞きしたんですが、一つは政権を奪回することを考えると、ターゲットをどこに置くのかということも踏まえて議論を進めたほうがいいと思います。もちろん日本国民全体を代表しなければいけないのですが、しかし、自民党が国民のどこの層を主に代表するのか。清和研の提言はどこの層の声をしっかりとつなげていくのかということは、やはり共通認識を持っていたほうがいいのかなと思います。
 例えば民主党の主な支持団体は連合ですが、組織された労働組合、今、加入率が12〜13%。残りの87%は非組合員、あとは中小企業労働者。日教組も今、30%ぐらいですか。ほとんどの教師は今、日教組に所属していない先生方で、今、サイレントマジョリティで声を発していない。民主党がカバーしている12〜13%の大企業労働者の組合員と日教組に所属している教師よりも、むしろそうではないところのほうが大きい。そういった層に関して、あなたたちの声を国の政策に生かし届けるのは自民党なんだよというメッセージを感じさせるような提言が必要なのかなと。
谷川委員
 さっきは抽象論、精神論に関して主に言ったんですが、修正資本主義というのは、戦いに負けた人たちをどうするかというのが根底の思想にあるわけですから、日本の社会では、人に関しては十分と思います。ただ問題なのは、職業に関してと、地方に関して、地域に関してが自民党からは抜けているんです。陳情が来たら、票をもらったらやるという発想だけであって、理論的に、例えば農林漁業は要るのか要らんのか。要るんだったら、やっぱり生活できるようにすべきなんです。
 なぜかというと、やっぱり理論がない。票だけあるんです。票をもらいたいという部分だけがあって、これは存在させるべきなんだというのがないんです。そこもぜひ入れてください。
 もう一つは経済成長です。経済成長させるためにどうするんだというのがきちんとなってないでしょう。資本と技術と、あと土地と、要るが、どの分野でどうする。例えば医療なら医療に徹底して特化して、世界中の金持ちは全部日本に寄せるとか、そういうのだって自民党の政策では理論的にはあっていいと思うんですよ。
北村茂男委員
 自由民主党の政権はどんな役割を果たしてきたのか、どんな歴史をたどってきたのかということを検証する必要があると思うんです。
 長期的な視点で言うと、自由民主党が保守政党として昭和30年、自由党と民主党が、いろんな経過をたどって合同できました。そして、55年体制という中でやってきました。したがって、立党の思いは保守政党を目指した。保守主義を目指し、資本主義社会、自由主義社会の一翼を担う。しかし、社会党との55年体制の中でやってきた政策は、社会主義政策を取ってきたと思います。したがって、立党の原点をどちらかといえばどこかなおざりにしてきたのではないか。
 その象徴的なものは、教育に現れていると思います。その中でもとりわけ一点だけ申し上げると、教科書です。教科書の中を吟味していただければ、検定制度の中で、既存の教科書を容認して受け入れてきた。自民党と日教組の政労会談をやっても、表向きの会談は言うけれども、社会主義の思想をずっと受け入れて、それを表だけは自民党政権という枠の中で覆い隠してやってきたというのが実態である。例えば教科書の中の吟味をしてみても、昔の社会、今なら公民という教科書なんかを見ても、今では伊藤博文、大隈重信という、いわゆる自由民権運動をやった人たちの登載は教科書にありません。それが当たり前のごとくここ十数年ずっと続いてきて、それを許容してきたというのがわが自由民主党の政権であったと思います。
  したがって、もう一度、私たちが政権を奪還し、まともな国に取り戻していくときには、今の彼らの対極を私たちは模索する以外に道はないのではないか。あるいは模索していくべきではないかと思っております。
 ほんとに国民は、自分さえよければ、あるいは自分さえ満たされれば、わが地域さえよければというようなところになってしまって、政治もその流れの枠の中に出してしまっているのではないかという気がいたします。
 われわれが掲げる旗は、本当に中長期にわたって国民を理解・納得させて引っ張っていける旗を掲げていかないと。短期的には奪還政策ですけれども、戦略上もありますから中長期的には社会主義化していってしまうのではないかと。あるいはそれに加えて独裁的な社会主義的国になっていこうとしている今の姿を、どこかでしっかり引き戻す役割と、旗を掲げるべきではないかと思っています。
下村政策委員長
 自民党は立党の精神を忘れしまって、自民党らしさというのを、その後の政権運営の中で実際やってこなかった。ある意味では社会主義的な政策を進めて、いかに政権を維持するかということのみの政策をしてきたことによって、よりもっと極端な形で、国民にばらまき的な形で、民主党が社会主義政権的な政策をやっているわけで、無責任に考えれば、国民にとってそれは短期的に見ればウェルカムな話なわけです。
 自民党はもう一度、今までの政策との整合性ということではなくて、ある意味ではまったくゼロから。逆に野党になったわけですから、今までの政策の整合性をどうつなげるかというよりは、先程極端な事例として長勢先生からも年金をやめちゃったらどうかみたいな話がありましたが、今までの政策とは相矛盾することであっても、もう一度原点に戻って、そもそもあるべき政策なり理念は何なのかというところから、さら地からきちっと議論をしていかないと。
 アプローチの仕方も、そういう意味での精神的、理念的な部分でのアプローチ、生活面、社会保障、福祉的な部分からのアプローチ、経済的な部分からのアプローチとありましたが、もう一度原点に戻って、原理・原則に戻って、あるべき日本における保守主義的な政党としての形はどうなのか。今の自民党の政策云々にこだわらない、理想的な部分をきちっと打ち出していかないと、おそらく今の民主党政権に代わる、国民にとって大きな魅力的な旗というのを明確に打ち出せないのだろうなと思うんです。
 今日はいろいろな方々からご議論がありましたから、これをもう一度整理して、整理した段階で、それぞれの項目に分けてこういう議論があったということを、共通認識に則って理解をし、その上で次回、また議論をしていかないと、その時その時来た人が、その時の思いで発言していると、理論体系にはなってこないと思います。今日の議論をよく整理をして、それを提示し、それに則ってさらにアプローチをしながら、いろんな分野における、本来の日本の保守政党としての原点に則ってのあるべきそれぞれのアプローチということを、専門家の方々にも来てもらって話をしてもらうことも必要だと思います。
 ただ、タイムリミットは来年の5月ぐらいまでだと思うんです。参議院選挙に間に合うような、参議院選挙の前に、党に対しても、あるいは外に対しても政策提言として取りまとめないと、議論のみの議論で終わってしまうと思うので、来年の5月ぐらいまでに、あるべき日本の保守政党というのは何なのか、民主党に代わる大きな旗を掲げる政党はどうすべきかということを取りまとめていくという方向で、議論していったらいいのではないかと思います。


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