http://www.seiwaken.jp/



2010年 政策委員会報告トップページへ

政策委員会 第8回


講演 外国人参政権の問題点について
講師 百地 章日本大学法学部教授

平成22年2月3日
高市早苗政策委員長代理
 皆さま、こんにちは。ただ今より清和研政策委員会を始めます。下村委員長が、予算委員会のため遅れて来られますので、代理で私が進行を務めさせていただきます。
 前回お知らせいたしましたとおり、今回は、講師として、すでに外国人参政権問題では月刊誌等で、多くの論文を発表されております日本大学法学部教授の百地章先生にお出ましをいただきました。それでは早速でございますが、ご講演をお願い申し上げます。

百地章教授
 ただいまご紹介にあずかりました百地でございます。どうぞよろしくお願いします。
 時間は30分ぐらいということですので、憲法問題を中心にお話しさせていただきたいと思います。お手元にレジュメを用意させていただきました。それから資料が若干ありますので、それをご覧いただきながら進めてさせていただきます。
 端的に外国人への参政権付与は憲法違反であるということについて、初めに申し上げます。参政権は憲法15条1項で「国民固有の権利」であると書いてあります。したがいまして、外国人への参政権付与は憲法違反であると。
 学説、通説は、参政権を、「権利の性質上」国民のみを対象とした権利としております。ご存じのように人権というのは生まれながらにして有するもので、国家以前の権利であると言われますが、一連の表現の自由だとか学問の自由、精神的自由権とは国家以前の権利
であると説明される。実際は国家あっての権利ですが。               それに対して、国家を前提として初めて生まれてくる権利、それが入国の自由の議論だとか、あるいは国家から給付を受ける社会権です。それから、国家というものを運営するために出てくる参政権。国家を前提とした権利、これは権利の性質上、国民のみに与えられるというのが基本的な考え方です。
 さらに、参政権の場合には、単なる権利ではなく、公務でもあるというのが伝統的な解釈です。つまり、他の人権は権利であって、放棄云々という話がありますが、公務ですから国民としての義務でもあるから、放棄できないと考えられておりまして、それが参政権の特色でもあります。
 ちなみに国政レベルと地方レベルを分けて、地方レベルであれば構わないというのを、「部分的許容説」と言っています。確かに教科書とか論文等を見ますと、これはかなり出回ってはいます。しかし、書いていない人の多くは「禁止説」を取っている。長尾(一紘)先生も、周りではそうらしいです。名前は出せませんが、例えば京大の教授あたりも、私がこの「q&a」を書いたら非常に喜んで、ということで、「全面禁止説」を取っておられる。専門誌でも、推進派の学者が全面禁止説が通説だと書いているのが現状であります。
 そういう中で、実は今回、新聞で報道されましたが、中央大学の長尾教授が、昭和63年に外国人の参政権についての論文を書かれました。ドイツの少数説だったんです。ドイツの少数説だったんですが、わが国で大いに議論を進めてもらおうという動機もあって紹介したところ、それを支持するというか、追随する学者がだんだん出てきまして、流れとしては平成6年に、東大の芦部(信喜)教授が、長尾論文を引用する形で、紹介する形で支持を表明するわけです。その翌年に、参政権についての判決、「傍論」の中で部分的許容説が支持される。そういう流れになっておりますので、部分的許容説の拡大にとって、長尾教授の果たされた役割は非常に大きなものがあったのではないか。
 その長尾教授から、昨年、「(新版)外国人の参政権問題q&a」をお送りしたところ、今年、「地方参政権も憲法違反と考えます。大いに反省しております」という年賀状をいただいたわけです。そこで本人に「公表していいか」と確認しましたところ、「構わない」ということで、憲政記念館の大会で紹介し、さらに『will』でもそれを発表したという次第であります。長尾先生は今度、『will』で自分の見解を発表されると聞いております。学説の状況はそういうことなのです。
 次に最高裁ですが、最高裁が外国人地方選挙権を認めたというのは誤りであると考えます。以下、レジュメに要点を書いておきました。あの判決は、本論に当たる部分と傍論に当たる部分と、地方自治法、公職選挙法に外国人は排除されているのは憲法違反ではないという、結論の部分があります。
 その本論の部分が何を述べているかということですが、「憲法15条1項は、国民主権の原理に基づき、公務員の終局的任免権が国民にあることを表明したものにほかならない」。「憲法15条1項の規定は、権利の性質上──これは先程の議論です──日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、わが国に在留する外国人には及ばない」。さらに「国民主権の原理及びこれに基づく憲法15条1項の規定の趣旨に鑑み、地方公共団体がわが国の統治機構の不可欠の要素をなすものであることをも併せ考えると、憲法93条2項の『住民』とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当である」。こう述べております。
 要するに判決は、「選挙権は、主権者たる国民のみに与えられており、権利の性質上からも外国人には認められないこと」「国と地方公共団体は不可分一体の関係にあり、切り離すことはできないこと」。それゆえ「地方自治体の首長や議員は日本国民たる住民が選挙しなければならない」というふうに理解できるわけです。
 ところが問題は、この判決が、「禁止されている」とか「外国人には認められない」という表現をしてないんです。「保障されない」という曖昧な言い方をしているんです。もう一つは、傍論の部分で「認めてもいい」と。その言葉だけにとらわれると、最高裁は禁止していないのではないかという議論になるわけですが、論理的に考えれば、この三点をつなぎ合わせていけば、どう考えても外国人への参政権付与は認められないと。
 ちなみに、93条2項の『住民』というのは、「日本国民だ」と最高裁がはっきり断定しているわけです。したがって、憲法は法規範ですから、あの条文は、日本国民たる住民が選挙しなければならないという意味なんです。
 参考までに憲法42条を出しましたが、「国会は、衆議院及び参議院の両院でこれを組織する」という普通の叙述になっているわけですが、しかし、これは「両院でこれを組織しなければならない」という意味です。つまり、第3院とか第4院はあり得ないということです。条文だけ見ると、第3院を禁止していないのではないかという議論は成り立つかもしれませんが、それはあまりにも非常識です。したがって、「両院で組織する」ということは「両院で組織しなければならない」、それ以外の院というのはあり得ないということ。ですから、93条2項も、日本国民たる住民が選挙しなければならない、それゆえ、外国人は選挙できないというふうに解するのが、法解釈としては正しいと思うんです。
 (元)最高裁長官の日本会議会長の三好(達)先生ともお話ししたところ、私とまったく同じ解釈をされておられました。この間、憲政記念館でお話ししたときに、「論理的に考えて外国人参政権は出てくるはずがない」とおっしゃっておりました。
 そもそも憲法以前の問題として、国家は「政治的運命共同体」であるから、わが国の運命に責任を持たない外国人を政治に参加させることなどはできないと。つまり、いざという場合、例えば戦争となった場合に、国家と運命を共にするのは国民だけです。外国人はいつでも本国に逃げ帰ることが可能です。したがって、わが国の運命に責任を持たない、それどころか今なお本国に忠誠を誓っているような外国人を、わが国の政治に参加させることなどできるはずがないというふうに考えます。
 ちなみに韓国憲法は、39条ですが、国民に国防義務を課しております。在日の組織、民団の綱領の中に、韓国の国是を遵守する、憲法、法律を遵守するというのが入っております。したがって、今なお本国に忠誠を誓っている人たち、しかも国防義務を負っている人たちですから、その人たちに参政権を認めていいのかということになります。中国憲法にもやはり国防義務があります。戦争という事態まで至らなくても、国益上の重大な対立、衝突が生じた場合、彼らはどちらに忠誠を誓うのか、どちらの利益を考えるのかということで、非常に問題が生じます。
 3番目として、国と地方政治は密接な関わりを有すると。これは最高裁判決の、地方自治体というのも国の統治機構の不可欠な部分、構成をなしていると言っていますから、したがって切り離すことはできません。現実に、最近の沖縄の名護市の市長選挙等を見ても、米軍基地の問題とか、あるいは教育問題でもそうです。さらに有事の場合、武力攻撃事態法とか国民保護法、有事には国と自治体が一体となって、それに対処し、国民を保護するということになっていますから、国と自治体は密接な関係にあって、切り離すことはできないと思います。
 次に、少数の永住外国人に選挙権ぐらい与えてもどうということはないだろうという考え方もあります。確かに数字からいうと、日本人の有権者は現在、1億人を超えました。1億何百人かです。それに対して、永住者に限定した場合、91万人です。そうすると、数からいったらほんとに些細なもので、それほど影響力はないだろうという人もいますが、首長選挙とか、国政の場合は小選挙区ですが、小選挙区の場合には、そのわずかな票がキャスティングボードを握ることはいくらでもあり得るわけです。例えば市長選挙で、ある程度まとまった票が動けば、それが左右するということも出てきます。
 これもご存じの方は多いと思いますが、対馬では、有権者が3万ぐらいで、市長選挙では1万6000ぐらいで当選しているんです。韓国は対馬を韓国領であるということで、返還要求の決議までしようとしているんです。韓国国民も50%は返還要求に賛成しているんです。そして土地の買い占めも進んでいる。そういう中で、もし地方選挙権が認められるならば、そこにどんどん移住したり、あるいはどうなるかわかりませんが、現在のシステムだったら住民票をどんどん入れてしまえば、市長選挙に簡単に勝利できるということになります。沖縄でも同じことが言えます。
 ちなみに一般永住者は、一昨年の12月現在で91万人です。特別永住者が42万人です。一般永住者で中国人が14万人。在日韓国人が多いんですが、特別永住者、在日韓国・朝鮮人が42万人。それが主な内訳です。そうすると、14万人の中国人を中国政府がいろいろ組織的に動かせば、沖縄でも選挙戦などというのは左右できるということもあり得ます。
 確かにこれは杞憂かもしれません。しかし、万が一に備える、最悪の事態をも考えて、それに対処するのが為政者の務めだと思いますから、そういうことも当然考えるべきだと思います。
 さらに、現在、民団が活発に動いていますが、選挙権も持たない在日韓国人の人たちが、いろいろ組織的な選挙活動をしたり、議会工作をしている。もし選挙権が与えられたら、堂々と、もっと内政干渉に当たるような行為がなされる恐れもあります。
 先の衆議院選挙で、初めて民団が組織的に選挙活動に取り組んだと。ポスター貼りからビラ配り、いろいろやっています。これは公職選挙法が禁止していないからいいだろうという説もありますが、そもそも公職選挙法は想定していないんです。外国人の政治活動など考えていない。あくまでも選挙人団としての国民が自由に選挙を行うための法ですから、外国人が参加することは想定外なんです。したがって違法です。
 最高裁判決をそこに書きましたが、マクリーン事件、これが外国人の人権についてのリーディングケースとされているものです。「〔外国人の政治活動の自由については〕わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ」と言っています。つまり、選挙活動というのはわが国の政治的意思決定に直接・間接に重大な影響を与えるものですから、この最高裁判決の趣旨に照らせば、到底認められない。憲法違反と私は考えます。
 資料をお配りしましたが、千葉県の市川市で、外国人参政権反対決議を、民団が一夜で覆してしまったということがありました。これなども民団が活発に政治工作を重ねたわけでありまして、これこそ内政干渉そのものだろうと思います。もし選挙権が与えられたら、こういうことが公然となされることになると思います。
 先程言いました、最高裁が認めたというのはあくまでも「傍論」でありまして、ここでは説明しませんが、判決の結論に直接つながる部分とまったく関係ない部分と分けると、つながらない部分が傍論と言われます。本論の部分は論理的に考えれば、明らかに日本国民しか選挙権を行使できないという論理構造になっています。それを踏まえて、現在の外国人の選挙権を認めていない公職選挙法、地方自治法は憲法違反ではないとつながるわけです。ですからその中間の、地方自治体と特別の関係に立ったものについては選挙権を認めてもいいんだという部分は、論理的にもまったく矛盾しているわけで、まさに傍論です。単なる裁判官の見解表明にとどまるということです。
 これに関しても実は重要な事実がありまして、その小法廷判決に加わったのが園部逸夫裁判官で、朝日新聞で回顧談を語っているんです。それを見ると、当時は自慢話のような感じなんですが、在日の人たちは強制連行されたかわいそうな人たちである、自分も朝鮮で生まれたということで、そういう思いが反映しているんだと述べています。だから、園部さんが相当主導したのではないかとうかがわれるわけです。
 それに対しては私は、当初から強制連行というのはまったく事実無根だということで批判してきたわけです。傍論というのは、論理的にもまったく矛盾しているということを批判してきたわけです。そういう批判にもある程度こたえたのか、2007年に園部さんが「『傍論』部分を重視するのは『俗論』であって、重視すべきではない」と、あわてて火消しに回ったんです。私に言わせればマッチポンプのような感じがするんです。一方で煽っておいて、あわてて火消しに回っているような感じがします。
 そういうことで、いってみると提唱者である長尾教授と、提唱者と言えるかわかりませんが、裁判官としては主導的役割を担ったと思われる園部さんが、否定的な立場に立っているということです。これは非常に重要な事実だと思います。
 外国でも認めているのではないかということですが、簡単にご説明申し上げます。とりあえずはこれ(【oecd加盟国(30カ国)およびロシアの外国人参政権と二重国籍の状況】)をご覧ください。oecd加盟30カ国とロシアの現状を示したものです。この表の「国政選挙」「地方選挙」を見ますと、何らかの形で選挙権、被選挙権を認めている国が27カ国あることになっています。
 しかし、実は私は、民主党の推進派の議連の資料を使って、それに【注】を加えて、この説明がまやかしであることを批判してきたわけです。民主党の国会議員団の勉強会に呼ばれて説明したんですが、左側に●と○が付いています、●がeu加盟国です。○がイギリス連邦諸国です。これらの国はわれわれが考える外国人参政権とはかなり異質のものです。
 euの場合には、eu連合という、新しい、国境の壁を低くした緩やかな国家というものをつくろうとしている。そのeu連合の連合市民権、いわば新しい国家の国民としての権利として、お互いに認め合っているというのが基本的な考え方です。上から3分の1ぐらいのところにフランス、ドイツがありますが、中核的なフランス、ドイツはeu市民にしか与えておりません。例えばドイツ人がフランスに滞在中であったら、フランスで地方参政権のみ行使することができる。しかし、ドイツでは行使しないという形を取るわけです。eu市民権としての権利でありまして、外国人参政権とは異質のものです。イタリアもそうです。同時に、併せて広く解放した国もないわけではありませんが、基本的な考え方はそういうものです。
 英連邦諸国は、見ていただくと、二重国籍をお互い認め合って、今でもイギリス連邦という連邦をつくっていますから、女王が、例えばオーストラリアの元首、カナダの元首なんです。そういう関係をつくって、英連邦市民権としての参政権を認めているというものですから、われわれが考える外国人参政権とはやはり異質のものです。
 したがって、文字通り参政権を認めているのは、北欧諸国とか──北欧諸国はもともと労働市場がありまして、自由に行き来してきたという特殊事情があります。その流れで、参政権を認めているだけでありまして、百九十数カ国の国連加盟国のうち、文字通りの外国人参政権を認めている国はわずか数カ国ということになると思います。
 ドイツとフランスは、eu加盟に当たってわざわざ憲法を改正しているんです。レジュメの2枚目に、ドイツ、フランス、日本を並べて条文を書いておきましたが、ドイツ憲法は「国家権力は、国民により、選挙および投票によって……行使される」と書いてあるだけです。これも州レベルで地方参政権を認めようとしたところ、憲法違反の判決が下っているんです。フランスの場合には、eu加盟に当たって、それだけでは条約が憲法違反だということで改正したわけです。その根拠となったのが、「フランス国民の成年男女は、すべて……選挙人である」と、これだけのことなんです。
 この点、日本国憲法では、「国民固有の権利である」とまで述べておりますから、したがいまして、明らかに論理的に考えて憲法違反と見るしかなかろうと。
 あと、この問題は在日韓国・朝鮮人問題だということで、「q&a」の中で触れております、もともと民団が運動を始めてきたということ。在日韓国・朝鮮人の人々は今でも母国で参政権を持っております。被選挙権を持っております。北朝鮮には、在日の国会議員が6名いますし、韓国は、今はわかりませんが、かつては国会議員がいました。
 特権の問題も、在日韓国・朝鮮人の人々は、平成3年の特別永住者制度ができて以来、世界でも最も恵まれた地位が保障されている。これは当の、法務省の東京入局管理局長までされた、坂中英徳さんという人が語っているわけです。この法案の作成に当たった人です。つまり、例えば犯罪を犯しても、内乱罪とか、外患誘致罪とか、重大犯罪を犯さない限りは強制退去もさせられない、こんな外国人はどこに行ってもいません。実態としては今のところ一人も強制退去させられておりません。5年以内であれば、ビザなしで自由に行き来できる。さらに、日本での経済活動はまったく自由です。こんな特権を認められている。したがって、この特権を失いたくないから帰化しないのだろうという人もけっこう多いわけです。
 その上、昨年の2月から、在日の人たちは国政レベルと地方レベル、両方とも選挙権が行使できることになりました。したがいまして、日本にいながら、本国の国会議員にもなることができ、国政・地方レベルの選挙権も行使できる。その人たちになおかつ、日本でも選挙権を認めろという話ですから、これはちょっと考えられないということです。
 最後に、正しい解決方法はということで、問題解決のための唯一の方法はもちろん帰化しかない。帰化すれば、もちろん日本国民になるわけですから、国政レベル、地方レベル、被選挙権まで認められるわけですから、簡単なんです。しかも、彼らは帰化しようと思えば、実績もありますから、9割9分ぐらい帰化できると思います。にもかかわらず帰化しないということです。
 そこで問題になってくるのは国籍の問題です。国籍法改正が平成20年に行われましたし、二重国籍制度を認めろと。帰化したくない人たちに何とか選挙権を与えるために二重国籍を認めろと、河野太郎さんあたりはそういう発想のようですが、これは国籍というものの重みがわかっていないからではないかと思います。もっと言えば、国籍の前提となる国家というものの重みがわかっていない。国家意識があまりにも希薄になっていますから、そのために国籍の重みもわからない。したがって、帰化手続きもわが国は非常に簡単なものになっている。
 ちなみに国籍については、英米法諸国では、国家に対する忠誠というものがその紐帯となっている。これが国籍というものだという考え方が有力でありまして、その典型的なものがアメリカです。アメリカの国籍法では、「国民とは、国家に対して永久の忠誠義務を負うものをいう」と明記しているんです。したがいまして、帰化に当たっては忠誠宣誓をさせますし、本国に対する忠誠を放棄もさせるわけです。それから筆記試験、口頭試問がありまして、口頭試問では最後に、いざというときには銃を取って戦う覚悟があるかどうかということを問われる。イエスと言えなかったら国籍は取れないと聞いています。それほど国籍というのは重いものなんですが、わが国では非常に簡単になっています。
 そこで「法案提出の阻止を」ということで、これは運動の問題になりますが、地方議会の実情です。今日お配りの資料の中にもありますが、14の県議会で、昨年の10月から12月にかけて反対の意見書が採択されております。中には、かつて推進、あるいは賛成の意見書を採択した県で、引っくり返した県もたくさんあります。今年の2月、3月議会では、11ぐらいの県議会は議決するのではないかと予想されますので、過半数の25の県議会が少なくとも可決するのではないかと予想されております。
 私、昨日、愛媛県議会に行ってきましたが、愛媛県議会も県会、市町村議会、100名ぐらいの議員さんたちが集まりまして、すごい熱気でしたが、県議会は今年の2月、3月、議決します。市町村議会でもかなり広がりそうな雰囲気でした。知事さんも反対の署名をいただいてきました。ということで、地方が非常に燃えている。この問題はまさに地方の問題で、地方の意見をなぜ聞かないのかという声がずっとあがってきております。
 もう一つは、世論の喚起が必要なんですが、実はこの世論が問題でありまして、この法案の中身とか、法案の意味を知った人たちはほとんどが反対に回るという実績があります。ところが、法の中身、意味も何も知らない人たちは、5〜6割が賛成してしまっているというのが現状です。
 というのは、そこに書きましたが、4番目、産経新聞でも、普通の調査、一般の世論調査の中の一項目として掲げますと、53%が賛成だと。朝日も60%賛成、毎日も59%賛成です。ところが、私も出たんですが、日本テレビの「太田光の私が総理大臣になったら」という番組があります。スタジオでは賛成派に白眞勲さんとか、今の総務大臣(原口一博大臣)もいましたけれども、反対派に平沢(勝栄)先生とか私もいたんですが、最初から賛成派2、反対派1の割合で、ミスリードしようとしてやっていたんです。それでもあの番組は、最後にといいますか、何日間か視聴者が投票できることになっているんですね。あの番組を見た人たちは本質がわかりますから、81%が反対している。産経新聞でも、アンケートを取ると、このことを知っている人たちが答えますから、9割、95%か97%が反対するということですから、国民にいかに知らせるか。テレビがほとんど扱わないものですから、それが重大な問題です。
 そこで、私は地方議会では「どうぞ辻立ち、街頭情宣をどんどんやっていただきたい」と。これはまさに、自民党から離れていった保守を再結集ための非常に格好のテーマだとも思っております。民主党とも対立軸がはっきりしますから、そういう意味で保守の結集にもつながるし、次の選挙にも通じますから、街頭演説をどんどんしてくださいということを呼びかけてきました。けっこう実行しようとしておられます。そういうことで、ぜひ世論の喚起をしていただきたい。
 そしてこの問題については、単に1票、選挙権がどうのこうのという話ではなくて、わが国の領土とか安全保障に直接かかわる重大な問題であるということから、先程対馬、沖縄の例を出しましたが、そういう具体例を挙げて訴えれば、国民は必ず反対に回ると思います。反応がいいと思いますので、ぜひそういうことをしていただけたらと考えております。
 ちょうど30分ぐらいになりましたので、ここで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

高市政策委員長代理
 百地先生、本当にありがとうございました。下村委員長がご到着ですので進行を代わりますが、私からお配りしてある資料について、1〜2分説明させてください。
 先月、自民党の国会議員全員に外国人参政権問題セット版資料をお配りしたのですが、今回お配りした資料は、主にお地元で、地方議員の先生方に外国人参政権反対決議の働きかけをしていただく時にお使いいただけたらと思ってつくってみました。
 1ページ、2ページは過去に国会に提出されました外国人参政権付与法案の主要項目対照表です。すでにお持ちの先生も多いかと思うのですが、改めてご覧いただきたいのは、2ページの表の上のほうにある、「直接請求に関する地方自治法等の特例」です。これまで民主党や公明党が提出された法律案では外国人が地方参政権を得た場合、地方選挙で投票する権利だけでなく、例えばDの公安委員の解職請求や、Eの教育委員会委員の解職請求もできることとなっています。また、その下の段は、「外国人が就任できる資格」です。選挙の立会人、人権擁護委員、民生委員にも就任できるとされています。これまで、中国や韓国は、日本の教科書の検定や採択についてもクレームをつけてます。地方でも外国人が教育委員の解職請求権や人権擁護委員就任権を持った場合に起きてくる問題点というのもご理解いただけたらと思いました。
 3ページは日本全体の永住外国人数でございます。
 4ページは、都道府県議会議員の先生方に、お住まいの都道府県にどれだけ永住外国人が居住しているかということをご理解いただくための表です。
 5ページから7ページまでは、前にお配りした資料にも付けました。これも、先生方の選挙区で該当の地区がありましたら、市町村議会議員の先生方へのご説明をお願いいたします。
ちなみに私の選挙区事務所のある生駒市では、前回の県議会議員の選挙で、当落は2票差でございました。奈良県の永住外国人数が6504名ですから、地方選挙であっても、外国人票は非常に大きな影響を及ぼすということです。
 最後の8、9ページは、去年の12月28日時点と、今年の2月1日時点での、総務省受理分に限った賛成と反対両方の意見書の数です。推移を見ていただけたらと思います。反対決議がここにきて急激に増えているということを、ご理解いただけたらと思います。私からは以上でございます。
 それでは下村委員長にご進行をお願いしますが、先生方からのご意見、ご質問をよろしくお願いいたします。

下村博文政策委員長
 遅くなりましてすみません。今日、予算委員会が4時半から行われる予定だったんですが、ご承知のように民主党のほうが、高速道路の無料化の個所付け、道路の個所付けを、党組織を通じて都道府県単位に発表しているというのが、予算審議の前から……本来は予算が通ってから、その後、個所付けについてそれぞれ発表するわけですが、先にしてしまっているということで、これはとても予算に応じられるような状況ではないということで、いま現在、理事会協議になっています。そういう問題を含めて、民主党のやっていることについて、相当めちゃくちゃなことがすでに始まっておりますので、予算委員会のメドが立っておりません。ちょっとご報告いたしておきます。
 いまの百地先生のお話の中で、自民党のほうでも地方議会に対しての働きかけですが、来週の10日に全国政調会長会議を開いて、外国人地方参政権の反対意見書を、それぞれの議会のほうでも、また引っくり返す意味でぜひ対応してもらいたいとお願いしています。
 それから、日教組の地方自治体の教育委員会支配、都道府県によっても相当開きがございますが、この問題。夫婦別姓等の問題。あとは、民主党は陳情の一元化している問題等、都道府県の政調会長をお呼びして会合を開いて、それをまた、それぞれ持ち帰っていただいて、都道府県単位で、今の地方議会対策についてはぜひ意見書を自民党として主導してほしいとお願いしています。早めに出さないと地方議会が始まってしまいますので、それを党としても組織的にやる予定で準備をしているところでございます。


質疑応答
下村政策委員長
 それでは先生方から、百地先生に対してご意見、ご質問等あれば、出していただければと思います。
稲田朋美政策副委員長
 百地先生、ありがとうございます。また高市先生、とても欲しかった資料を一挙にまとめていただいて、ありがとうございます。
 長尾教授のことを先生が憲政記念館でおっしゃっていただいて、産経新聞で衝撃的な記事が出ました。長尾教授といえば法学教室で、部分許容説の理論的主柱というか、その権威であり、最初にそういう説を発表したもともとの教授ですから、その方が部分許容説も間違っていて、これは違憲なんだと。そもそも15条と93条の読み分けをされたり、なぜ地方ではいいかということもすごく詳細に書かれていた教授が、自分が間違っていたということを言われたというのは、私、ものすごく凄いことだと思って、その点でも先生に感謝をいたしております。
 ただ、いま先生がおっしゃった長尾論文を支持すると言った芦部教授は、また憲法の中の権威ですので、芦部教授はどういう考え方なのか、平成6年に支持を表明されたということなんですが、どんな論文があるのかというのが一つ。
 先程園部さんの回顧のことをおっしゃっていたんですが、それを書かれている自治体法務研究の論文、この部分を読みますと、すごく歯切れが悪くて、判決は三つの項目に分かれていると。
 「第1は、憲法93条は在留外国人に選挙権を保障したものではない。第2は、在留外国人の永住者であって、その居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至った者に対して、選挙権を付与する措置を講じていることは憲法上禁止されていないが、それは国の立法政策に関わる事柄、措置を講じないからといって違憲の問題は生じない。」これは問題の部分ですね。「第3は、選挙権を日本国民たる住民に限るものとした地方自治法11条、18条、公職選挙法9条2項の規定は、違憲ではないとの判断が示された」と。
 三つに分けて、判例集は第3の部分、違憲ではないと。「認めなかったことは違憲ではないという部分が判例で、第1と第2は、判例の先例法理を導くための理由付けにすぎない。第1と第2とも裁判官は全員一致の理由であるが、先例法理ではない。第1を先例法理としたり、第2を傍論又は少数意見としたり、あるいは第2を重視したりするのは、主観的な批評にすぎず、判例の評価という点では、法の世界から離れた俗論である」と言われているんですが、第2を傍論または少数意見とするのもいけないというふうにも読めるので、園部さんがおっしゃっているこの部分をどう読めばいいのかというのがちょっとわからなかったことが1点。
 先生の配られた資料の中で、「民団工作一夜で否決」という記事があるんですが、政治資金規正法の中では、外国人や外国の勢力からの政治資金の寄付は禁止されてますが、外国人の選挙運動、例えば今回の選挙みたいに民団がポスターを貼ったりとか、いろんな選挙活動、またロビー活動、これは公職選挙法では禁止がされていない。先生は先程そもそも想定されていないんだと言われたんですが、立法政策としてこれをどうすべきかという点を教えていただきたいと思います。
百地教授
 長尾教授の件は、大きなa3で資料を用意しましたのでご覧ください。長尾教授のインタビューは、インターネット、産経の阿比留さんのホームページというか、ブログがありまして、そこにさらに詳しく載っています。「明らかに違憲であり、読みが浅かった」。長尾先生は、もともと「憲法解釈上は地方参政権は許される。しかし、政策論としては反対だ」ということはずっと言ってこられているんです。そこのところは確かに考えておられると思うんですが、その政策論だけではなく、解釈論もダメだと言ったのが今回なんです。
 長尾先生の63年の論文を引用する形で、芦部先生が約2ページぐらいにわたって書いているのは、『憲法学2』という本です。芦部先生の『憲法学』、総論から各論という形で、途中まで書いて亡くなられていますが、『1』『2』『3』の『憲法学2』。『will』では、ゲラをやり取りするときに変になってしまって、(特)とか(監)とかになっていましたが、『憲法学2』というところにあります。
 そこに1ページぐらいにわたって長尾さんの論文を紹介して、さらにそれに付け加えて、「憲法93条2項には「住民」と書いてあるのだから。外国人も入れてよいだろう」ということと、もう一つが、euなどの例を挙げて「外国でも認めているではないか」と。
 もう一つは、ちょっとわかりにくい議論なのであえてここでは紹介しなかったんですが、正当性の切断云々という議論がありまして、ドイツの議論なんですが、国民主権という原理がまず基本的にあります。その下で仮に地方で外国人参政権を認めたとしても……例えば条例を制定する場合にも法律の範囲内でしかできないんだから、それによって上からの正当性(国民主権)が否定されることはない。だから、外国人に参政権を認めてもいいんだという、ちょっとややこしい議論があるんです。
 これはそもそも理論そのものが曖昧ですので、私も『憲法の常識 常識の憲法』という本の中ではとりあえず反論したんですが、あくまでも、そもそも国民主権の原理というのは地方にもすべて貫かれているわけですから、そういう立場からすれば、「住民」の中に外国人が含まれるはずがない。「条例」は法律の範囲内でつくられるのだからというのは、あくまでも法律の範囲の問題でありまして、選挙権を行使すれば、それが地方自治体のあらゆる部分に政治的な力を持つわけでしょう。条例をつくるというところだけに反映するわけではないわけです。そうすると、条例の議論を持ってきて説明するというのは、すり替えではないか。まったく別次元の異なることだろうと。
 そうすると、もう一つの「住民」の中には外国人を含めてもいいだろうという芦部先生の説は、すでに最高裁判決によって否定されました。「世界の流れ」というのも、そもそも実態からして外国人の参政権付与は世界の流れとは言えないし、仮にそれが世界の流れだとしても、憲法違反であるならば、認められるはずがないので、憲法学者らしく……立法政策だったらいいですよ。世界の流れというのは一つの参考になるかもしれません。しかし、憲法解釈上許されないというものであれば、いくら世界の流れであろうが、それは認められないというわけですから、芦部先生の説は論理的にも破綻していると私は思っているんです。それが第1点です。
 園部さんの説は、これは正直に言うといやらしい文章なんです。非常に曖昧です。ここに書いてありますね。「民集49巻2号639頁、解説(福岡(右武)」、たぶん最高裁の調査官等が書いている解説だと思いますが、私もざっと読みました。いま論文を書いているところで、もう一度確認しますが、ざっと見た範囲では、この3の部分だけが判例であって、ほかは違うなどと、そんな説明は出てきません。そもそも本論だとか傍論だとかいうことも、これは学者が説明するときに使っているものだし、もちろんアメリカの理論もありますし、理論としてはあるんですが、判例集の中にここは傍論、これは本論などと書くことは絶対ありません。だから、こんなことやること自体がおかしい。
 もう一つ、いやらしいという言い方はこういうことなんです。園部氏が私の言う傍論部分を否定していることは間違いないです。「傍論部分を重視するのはおかしい」といっているでしょう。ところが、それと同時に、私の言う「本論」の部分まで同時に否定してしまおうという、園部氏一流のズルイやり方ではないかと、私はそう思っているんです。
 でも、論理的に考えると、3の部分は先程来言っていますように、公職選挙法、地方自治法は外国人の選挙権を認めていません。この結論はどこから出るかといえば、これだけで結論が出るわけがないでしょう。その理由を導いているのは本論の部分つまり第1の部分でしょう。本論の部分からすれば、外国人への参政権は認められないというのが出てきますから、それを踏まえて現在の公職選挙法、地方自治法は憲法違反ではないと、初めて理由が明らかになるはずなんです。それを本論の部分も判例としては意味がないんだと、第3の憲法違反ではないというところだけを、先例法理ですか、判例とするなどという言い方自体、非常に奇妙な言い方であります。さらに今後、検討しますが、どうもそういうやり方で、本論まで併せて否定してしまおうと。自分だけ非を認めるのは癪だから、併せて本論も否定してしまおうという魂胆がうかがえます。そんな感想を抱いております。
 政治資金規正法のことですが、先生方のほうがよくご存じだと思いますが、政治資金規正法では外国人からの資金援助等を禁止しています。これは実は法が改正されて新しく付け加わったもので、当初からあったものではありません。現実にいろいろと問題が起こってきたから、当然そういう改正がなされたんだと思うんです。他方、選挙活動については従来、民団だってそんなことは考えてもいなかったわけです。組織的な政治活動をしていませんでしたが、今回、改めてこういう問題が起こっていますから、私は法律に書いてなくても外国人の選挙活動は許されないと思っていますが、先程の判例からしても許されない。どうしても条文上の根拠が必要だというのならば、この際、公職選挙法の改正をやるべきではないかと思っています。
 併せて言いますと、今回、この法案を阻止するのが一番大事な問題ですが、これを奇貨としてといいますか、禍を福に転じるといいますか、国籍法のいろいろな問題点をこの際、議論して、果たしてこれでいいのかと。国家というものの重みを踏まえて、国籍法の曖昧な点だとか、外国人政策についてもいろいろ問題があるようですから、総合的に検討する機会としていただいたらいいのではないか。併せて公職選挙法の問題点も議論する。あまり広げてしまうと何ですから、当面は外国人参政権を阻止することが大事だと思いますが、そういうことも視野に入れていただけたらと考えております。
高市政策委員長代理
 帰化の問題ですが、百地先生にお配りいただいた「外国人登録者数」、【第1表】を見ますと、登録者数ですから、すべてが参政権の対象と想定されるものではないにしろ、平成10年に27万人余りだった中国人が、平成20年には65万人をはるかに超えています。日本国内における中国人の急増が明らかです。帰化要件をあまり緩和すると、国籍にこだわらない中国人に大量に帰化されてしまうのではないでしょうか。今までも中国はさんざん内政干渉をしてきましたから、バックに中国政府が付いていろいろな工作活動をされるというような可能性はないでしょうか。
百地教授
 そうですね。ですから、私は現在の国籍法そのものがあまりにも緩すぎる、もう少し厳格にすべきだと思っています。つまり、5年の居住要件とか、あるいは素行善良とか、生計能力とかがありますが、「国家に対する忠誠」という発想はないですよね。単に日本国憲法を暴力でもって破壊するような団体に加入していないと、それだけのことですから、全然忠誠という話ではありません。
 実際に提出書類も、最近、動機書は取っていないらしいです。法務省の課長は取っているはずだと言っていますが、現場では取っていません。事実、中国人で一昨年帰化した、評論家の石平さんが取られなかったと言っています。「自分は動機書も取られなかった。なぜ日本人になりたいかということも問われなかった」と語っているんです。宣誓書も出さなかったと言いますが、そこはちょっとはっきりしなくて、機械的に12通ぐらいのいろいろな書類を提出するものですから、本人が自覚しないまま提出している可能性はあります。しかし、それにしてもその程度の宣誓だったらまったく意味をなさないですよね。
 ということで、現状はあまりにも緩やかすぎますから、そこにもし選挙権というものが認められれば、中国からどんどん入ってくる可能性もありますし、この程度の要件だったら帰化者もどんどん増えてくる可能性がありますから、非常に危険だなと思っております。
 永住に関しても、私もまだあまり詳しくありませんが、かつては20年の居住条件が必要だったらしいんです。それがその後、10年に緩和されてしまっているんです。いろいろな点で緩和されてしまっているということのようなんです。ですから、外国人政策をきっちりやらないと、非常に危険だなと思います。
高市政策委員長代理
 ありがとうございます。
長勢甚遠委員
 外国のこの表を見ると、これだけを見た人はまるで、地方参政権はだいたいみんなやっているわなという印象で見てしまいますよね。eu、英連邦の関係の説明は若干わかりますが、例えばロシアとか韓国とかノルウェーとか、そういうのとあまり関係のない国も参政権を認めているのはなんでかなということ。
 それと、この表はわが国の問題を考えるときに関係がないんだという明確な説明がもっとあったらわかりやすいかなと思いますが。
百地教授
 これだけ見ると認めている国が非常に多く見えますが、さっき申し上げましたように、大きく分けると基本的には三つのパターンがあるんです。ノルウェーとか北欧諸国の国々は、早くから労働力の国境を越えた市場ができておりまして、お互いに行き来していたんです。そういうことの延長で、選挙権を認める方向に動いてきた、そういうグループが一つあります。
長勢委員
 二つ選挙権を持っているわけですね。
百地教授
 そうです。併せて二重国籍を認めている国も多いわけです。二重国籍の場合には、例えばノルウェー人がスウェーデンの国籍ももらえるとすれば、それはスウェーデン人つまり国民として選挙権を行使するわけですから外国人の選挙権とはいえません。詳細はわかりませんが、そういう可能性も出てくるんです。
 グループ分けすると、もう一つがeuです。それともう一つが英連邦。あとロシアとか韓国とか、訳のわからないのが2〜3あります。
 二重国籍を認めている国を例に挙げますと、例えばイギリスとオーストラリアの関係を見ますと、オーストラリア人がイギリスに滞在するとします。英連邦市民でもあるし、イギリス国籍も与えられます。そうすると、イギリス国民としての選挙権の行使とも言えるし、英連邦市民としての行使とも言えますから、われわれが考えている、外国人の参政権とはまったく異なることになると思うんです。
 元の表だけだとそういう説明が出てきませんので、そこで私がわざわざ「注」を付けまして、左側の●と○と、下に【引用者注】ということで、前提が意味をなさなんだということを書いたんですが、元国家だけが流布しているところは確かに問題があると思います。
長勢委員
 ロシアは?
百地教授
 ロシアは詳しい事情はちょっとわかりません。韓国が面白いんです。実は2005年に、在韓永住外国人に選挙権を与えることになったんですが、その1年前の2004年、1年2ヵ月ぐらい前には、外国人に選挙権を与えようという法律を国会に提出したところ、憲法第1条が国民主権をうたっている、この国民主権に反するということで、全会一致で否決されているんです。わずか1年ちょっと前に。それを2005年になって簡単に通してしまったんです。
 つまり、こういうことなんです。日本にも認めさせるために、自分たちがまず認めたんだということです。それをうかがわせるのは、実は韓国の国会で、自分たちは認めたんだから日本も認めろというような決議をしていますし、委員会でも同じような決議をしているんです。
長勢委員
 それは政権の差か、政権と関係があるのか。
百地教授
 何政権かちょっと確認していませんけれども、とにかく日本に認めさせるために、向こうが……。
下村政策委員長
 そのときは盧武鉉かな。
百地教授
 盧武鉉になりますか、2005年ですから。
下村政策委員長
 左翼政権。
百地教授
 ますますあり得ますよね。そういう意図的なものですから。
下村政策委員長
 韓国は、外国人はどこが多いんですか?
百地教授
 やはり中国だったと思います。ちなみに日本人で、永住者として選挙権を行使したのは51名だという報道が、韓国の新聞だとかでなされているんです。
長勢委員
 そうすると、逆に、いまわれわれが議論しているような議論は、ほかの国ではあまりないということですか。
百地教授
 考えにくいのではないでしょうか。eu諸国の中には確かに、eu加盟で、この際、eu以外にも広く解放したと思われる国もありますが、そういう例以外は……。例えばアメリカを見たら、コマパーク市が付与とか、本当の例外があるだけで、そのようなことは全然議論もされていないわけです。ですから、こんな議論はどうなんでしょう。ドイツにしても、そもそもさっき言いましたように少数説で、判決もそうですが、圧倒的多数は外国人参政権など認められないという立場ですから、議論にもならないのが現状なんです。
下村政策委員長
 さっき稲田先生が言われたように、韓国では外国人の選挙運動は認められてないですよね。
百地教授
 禁止されているんです。
下村政策委員長
 日本は認められていますよね。
百地教授
 何も規定がないから……。
下村政策委員長
 認められているというか、要するに法律がないですよね。ほかの国は外国人の選挙運動というのはどうですか。
百地教授
 規定の有無はわかりませんが、理屈から言えばあり得ないと思います。外国人がよその国で選挙活動するなどということはそもそもあり得ないと思います。
下村政策委員長
 あり得ないというのは、法律があるんですか。
百地教授
 そこはちょっと確認はしていませんが、わが国はあまりにも成文至上主義といいますか、法律がなかったらという議論が多すぎます。国旗・国歌法のときも、「慣習法で認められているんだから、わざわざ法律をつくる必要はない。法律がないから『日の丸・君が代』は国旗・国歌ではないなどという議論そのものがおかしいんだ」と言ってきたんです。しかし、現実にはどうもそういう風潮がありまして、逆に法律上禁止規定がなかったら外国人の選挙活動は自由だとか、そんな議論になっていますので、ちょっと心配なんですけれども。
 そういう発想からすれば、例えば諸外国でも、外国人の選挙活動など、できるはずがないということで、規制する法律はないかもしれません。できれば調べていただきたいんですけれども。
稲田政策委員長代理
 最高裁のマクリーン判決で、外国人の政治活動の自由というのの先例ですが、それからいくと、今、民団がやっているようなポスター貼りとか、今のロビー活動が、最高裁の判決に照らして違憲なのか違法なのかわからないですけれども、問題だということが言えるのかどうか。
百地教授
 レジュメの2ページ目の上のほうに、マクリーン事件のさわりの部分を書き出しておきましたが、要するにこういう議論なんです。政治活動の自由というのは、一つは表現の自由の一環である。表現の自由は精神的自由ですから、外国人にも認められるということで、一般的な表現の自由は認められる。しかし、政治活動ということになると、広い意味で参政権的な要素を持っているということから、これは外国人には認められない部分が出てくるということから、限界が示されました。最高裁は「わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ」と言っていますから、確かに曖昧と言えば曖昧です。しかし、この理屈からいえば、選挙活動などというのはまさにわが国の政治的意思決定、その選挙によって政権交代があったりとかするわけでしょう。それに直接・間接に影響を与えるわけですから。しかも、単に「影響を及ぼす」と言っているだけです。ですから、この解釈からすれば外国人の選挙活動など当然、許されないと見るのが自然だろうと私は思います。
 ちなみに学説は、ただ「影響」ではあまりにも厳しすぎるということで、もうちょっと外国人の政治活動を認めようということで、「重大な影響を与えなければいい」とか、芦部さんなどはそういう形容詞を付けています。そうすると、選挙活動ぐらいいいのではないかという解釈も成り立つかもしれません。しかし、判例からすれば、単に影響を与えるだけで禁止されるわけですから、したがって、外国人の選挙活動などというのは認められないと見るのが、解釈としては正しいと私は思います。
下村政策委員長
 ほかにはよろしいですか。
百地教授
 一言いいですか。レジュメに書きましたが、世論調査の結果、最後のほうにE)とF)を挙げておきました。実は反対運動がかなり盛り上がっています。その効果もそれなりに出てきたのかなと。日本テレビの世論調査では、今年の1月ですが、参政権付与法案の提出を支持するが40、支持しないが41%ですから、支持しないが少し増えてきている。産経の、例の「報道2001」でも、外国人参政権に期待するが40%、期待しないが46%で増えています。したがって、それなりに反対運動が効果を持ち始めていることも事実だろうと思います。
下村政策委員長
 しかし、小沢(一郎)幹事長が起訴されなかったら、政府のほうは出してくる可能性がありますよね。そのとき国民新党がどう対応するかということでしょうが、出してきたら、国民新党が反対しても国会を通ってしまいますよね。社民党は賛成します。公明党も賛成する。
百地教授
 ですから、提出されたら終わりですので、提出させないためにどうするかということをまず考えないといけないと思っているんです。原口総務大臣は、この問題は、行政府がやるものではない、国会でやるべきだということで、国会のほうにボールを投げ返しているんです。ちょっと逃げ始めているのではないか。亀井静香国民新党代表は絶対反対だと言っていますし。
下村政策委員長
 閣法ではなくて、議員立法で出す可能性がありますよね。
百地教授
 その場合は、今度は縛りが効かなくなるけれども、数からいってどうなるかは、確かに心配です。
下村政策委員長
議員立法で出されたら、民主党だって、そう反対はいないのではないか。民主党、半分もいないでしょう。
百地教授
 もちろんそんなにいません。昨年の読売だったか朝日だったか、新聞社のアンケート結果を見ると、民主党で、衆議院だけですが、35名は反対をはっきり言っています。どちらとも言えないというのが六十数名ぐらいですから、100名ぐらい。その人たちに全員、私、これを配って、中から反対の声を挙げてもらおうと思ったんですが、数からいったそんなところです。
 ただそれも、政治情勢だから私、わかりませんが、素人的な考え方をしますと、もし力づくで議員立法でも通そうとするのだったら、昨年の臨時国会でもやったはずなんです。一時、やろうとしたでしょう。小沢(一郎)さんから声がかかったらしくて、山岡(賢次・民主党国対委員長)さんが臨時国会でやろうとしましたが、結局やめてしまいましたよね。あのときに、山岡さんのところには相当反対のファックスとかメールが届いたらしい。spを付けるほどだったわけですから、ということで、見極めはできませんが、そこまで強引にやるかなと。
下村政策委員長
 起訴されなかったら、小沢一郎は今国会でやるでしょうね。閣法ではなくて議員立法にするかもしれませんけれども。
百地教授
 あと、都道府県議長会でも地方の声を聞くようにということを決議していますし、知事会でもいろいろ議論が出ている。首都圏の知事はみんな反対の声を挙げています。
長勢委員
 出すとすれば、条文自体は単純な条文になるのかね。
百地教授
 いや、法案はかなり詳細な内容になっていたと思います。
高市政策委員長代理
 私がお配りした資料の対照表をご参照ください。これと同じになるかどうかわかりませんが。
百地教授
 民主党案は一番左側と予想されるわけです。(第148回国会)。
高市政策委員長代理
 かなり詳細ですね。
下村政策委員長代理
 民主党は、公明対策も含めて、参議院選挙の前に必ず出してくるのではないですか。議員立法等で。
高市政策委員長代理
 そうですね。参議院選挙までに自公を完全に分断してしまおうと考えるでしょうから、何か動きは出てくる。
百地教授
 これが参議院の争点になったら、国民はわかりませんよ。
下村政策委員長代理
 争点ではなくて、その前に通してしまう。だから、楽観できないです。それはそれで大変なことだと思います。自民党がしっかりまとまって結束していきませんとね。
 では、百地先生、お忙しいところありがとうございました。



ページトップへ
 
copyright (c) seiwaseisakukenkyukai,all rights reserved.