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清和研「第7回政策委員会」


希望の国日本復活のための提言
「人づくりが国づくり」

講師:アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)
大竹美喜 創業者・最高顧問

平成23年6月2日
下村博文政策委員長

皆さん、おはようございます。今日はアフラックの創業者でもある大竹美喜同社最高顧問より、「希望の国日本復活のための提言『人づくりが国づくり』」というテーマで、お話をうかがうことになっております。実は大竹最高顧問は、私の選挙区・板橋に住んでおられまして、前からご指導いただいておりますが、本日はよろしくお願いいたします。ご講演に入る前に 、町村会長から一言ご挨拶をお願いします。

町村信孝会長

大竹先生、お忙しいなか、ありがとうございます。これまで幅広い活動をしておられる活発な方であることは皆さん十分ご承知だろうと思います。本日の本会議で内閣不信任案提出という重大事の直前に、いいお話を聞けるんじゃないかと期待しています。

下村博文政策委員長

それでは大竹最高顧問、よろしくお願いいたします。


大竹美喜最高顧問

初めてご挨拶させていただく先生方も多くいらっしゃいますので、自己紹介を簡単にさせていただきます。私は24歳から27歳まで、福田赳夫先生がおつくりになった「党風刷新連盟」所属の秘書をやっておりましたので、福田先生に育てていただいたような人間なんです。従いまして、政治には非常に関心が強うございます。しかしその後、職を替えてしまいましたので政治家にはならず、生命保険会社を創業し、本年11月で37年を迎えるところでございます。

本日は下村先生を通じて、昭和37年の「党風刷新連盟」から続いております名誉あるこの会にお招きいただきましたこと、心より厚く御礼申し上げる次第でございます。今日は大変な日でございますので、先生方も午後1時からの国会で、またいろいろと大きな役割を演じていただきたいと存じます。

30分という限定された時間でございますので、今日のスピーチの全文をご用意、活字しております。ご関心がおありの方は後ほど目を通していただければと思いますし、参考資料も膨大な49ページのものを用意しております。なぜ用意したかと申しますと、下村先生から「元気の出る話をしろ」という命令でございまして、元気の出る話というのはかなりミクロの話、具体的な私の活動をご報告しようと思い資料にしたわけでございます。

私は、いま何をやっているかと申しますと、昨日も国立大学法人電気通信大学で基調講演をさせていただいたのですが、全国の大学を回りまして学生たちに「夢をもつこと」を訴え続けております。また、全国の市町村にもお伺いしております。今日お見えになっていませんが稲田朋美先生のところへ、6月16日にお伺いいたしまして、福井県の経営者協会で講演をさせていただく機会を得ました。このように全国各地で元気の出る話をさせていただいております

冒頭に申し上げたいのは、私の、大好きな言葉をご紹介させていただきたいということです。その言葉は、古代ヨーロッパ人の格言でフランスのパリ市役所の入口にラテン語で刻んであります。 「揺れても沈まず」

この言葉は、古代ヨーロッパ人の船乗りの黒光りする言葉なんですね。船というのは皆さんご存じだと思いますが、揺れ続けなければならない。揺れるのが安定なんですね。だから揺れ続けなければならない。

これは我々、人生もそうですし、企業もそうだと思いますし、国家もそうだと思います。不安定の中にこそ安定がある。これが「揺れても沈まず」という言葉でございますので、私は、この言葉を、結婚式や入社式などいろんなときに、いつも引用させていただいております。まさに今この国そのものが揺れ続けている。でも、これは正常な姿ではないかというのが私の申しあげたい点でございます。

例えば慶應3年の卯年(うさぎどし)に大政奉還が行われた。私は、1939年生まれで卯年なんですが、卯年に何が起こったかというと、まず大政奉還がなされた年であり、初の衆議院の解散も、1891年と言われていますね。また、1855年の安政の大地震もあったようですし、1983年ですか、浅間山の噴火とか震災事故も卯年に起こっているということのようですが。卯年だけを拾ったからそういうことになるのであって、どんな年にもいろんなことが起きているのだと思います。

私が申し上げたいのは、こういうときこそ沈着冷静に、正しい判断と決断と行動が求められるという点であります。

私は、アメリカの企業におりますので、米国の政権交代の話を少しだけさせていただきます。ご承知の通り、二大政党制で、共和党と民主党が入れ代わるわけでございますが、役人の使い方というのが実に上手いんですね、アメリカは。それからシンクタンクの利用が実に上手にできているように思います。議会と役所の交流というのも、ものすごくうまくいっています。

大臣、副大臣、政務官、局長クラスまでは大統領が全部指名するわけですので、大統領チームが結成されることは言うまでもありませんが、ものすごいリーダーシップを発揮できる。専門家も各分野のトップを就任させて専門性を発揮させていますし、政策運営が非常にやりやすい。大統領が交代しますと、異動が5,000人ぐらいでしょうか。4年に1回行われる。

合衆国憲法というのを皆さんご存じだと思いますが、「法律が忠実に執行されるように配慮しなければならない」と謳っています。その責任を果たすために大統領は連邦政府を統括することが必要になってくるので、現役の軍人 100万、そしてまた、およそ4,000万人の膨大な組織がそれに加わるということになっておりまして、立法も司法も重要な権限を持たされている。

政策研究会だから申し上げるのですが、この国の組織あるいは体制、そういったものを今後どのように先生方がお考えになって実行されるか、ということを私は注意深く見守っている面もございますので申し上げているわけでございます。

特に緊急時の大統領権限というのは凄いんですよね。国の制度が違うから比較することは困難かと思いますが、今日の資料にも加えさせていただきましたが、大災害の発生時、大統領が緊急発動すると、そういう権限を持たされているわけです。

この国には残念ながらその法律がない。従って、強制権限が総理大臣に無いということもあって、今後予想される災害、いつどこで何が起こるか分からないと言われていますが、そういった時に、今のような状態でいいだろうかというと、決していいとは思えません。何らかの方策を取って、やっていただきたい。

私はアメリカとは50年間交流をもっておりますが、ハリケーンとか竜巻で、しょっちゅう大災害が起きているわけですね。もちろん津波も発生しているわけでございまして、そういったことをスピーディに対応しているのがアメリカの大統領ではないでしょうか。

従いまして、日本では憲法に制定されていないから難しいのかもしれませんが、こういったことを今後どうやっていったらいいのだろうか、ということだと思います。

今日私は、3人のリーダーをご紹介いたしたく、資料の中に入れました。

1人目はウィンストン・チャーチルさん。ずいぶん前になりますが、チャーチルの孫娘さんが私のところにいらして、チャーチルのリーダーシップ論を日本で始めてくれないかと言われ、1冊の本を頂戴したんですね。翻訳がまだできていないので残念なのですが、サマリーを今日ご用意いたしました。チャーチルさんがどういうリーダーシップをおとりになったかという、チャーチル・リーダーシップ論ですね。ウィンストン・チャーチルはあまりにも有名ですから、私から説明する必要はないと思いますが。

2人目に米国の大統領リチャード・ニクソン。米国ではリンカーンが一番尊敬されているかと思いますが、実は私、ニクソン大統領と個人的に付き合いがございました。残念ながら、ああいう事件で汚名を着せられてしまいましたが、あの方のリーダーシップというのは凄いと思いますね。

日本国においては、岸信介先生ではないかなと思っています。1960年、安保闘争が起こり、6月にデモ隊が国会に突入し東大生の樺美智子さんがお亡くなりになったのですが、あの時の岸先生の対応は凄かったなと、私は個人的にそう思っています。

3名の方をご紹介いたしましたが、他にも立派な指導者は沢山いらっしゃったわけでございます。私個人の偏見で挙げさせてもらえば、以上の3名の方です。

実は、私は、日中国交前から中国に出入りしておりましたので、来年秋、中国の最高指導者となります習金平さんについて若干触れさせていただきます。ご承知の通り、文化大革命で17歳まで農村に追いやられたのですが、鄧小平さんに評価され、北京に戻って、8,000万人の共産党の頂点に立つわけです。あの方だけではなくて、周辺を見ても、ものすごい教養人といいますか、官僚としても超一流だと思いますね。プラス政治力を持っていらっしゃる。役人としても政治家としても一流だという方が頂点に立たれる。またその側近にすごい人が居並ぶ。これは町村先生、外務大臣をなさいましたからよくご存じだと思いますが、近隣諸国にああいう指導者が現れる。北朝鮮はどうなるか存じませんが、いずれにしても周辺国ですごいリーダーが登場してくるのが来年の秋、というふうに私は思っています。

そういった方々と我々がどう対峙したらいいのだろうか、ということは非常に大きな課題だと思うんですね。この国は外交これで生きるしかないだろうと思います。

下村先生が熱心になっていらっしゃる、日本の最大の資源は人である、人材をどう育成するか。、しかも今、世界の激変の中でグローバル人材をどう育て、どう配置したらいいのかと。

私も、石川島播磨とか日立とか、海外で仕事していらっしゃる企業人に対して人材育成、そういったことにもお手伝いさせていただいているわけでありますが、正直もっと言えば、小学校の頃からそういう環境をどのように作るか、大至急とりかかるべき課題であると思います。

勝手に述べさせていただければ、私は、藤波孝生先生と個人的にすごく仲良しでございました。2人でよく教育論議をやったことがあるんですね。藤波先生に「日本の将来というのはユダヤ人のような生きざまが必要なんじゃないですか。あるいは華僑のような人材を育成しなければならないんじゃないですか」と申し上げました。

なぜかといいますと、優秀な人が全部、日本でひしめき合い肩寄せ合っていてもどうしようもない。海外に出て、そこでお墓をつくる、そういう気概のある人が海外へ出て行って、海外から日本を支援していただく。そういう国づくりが必要なのではないですか、ということを何十年も前に申し上げたわけです。

今、東京大学とか京都大学とか一橋大学とかいろいろな大学で、講演をさせていただいているのですが、学長の先生方ともお話しさせていただいております。昨日、電気通信大学の梶谷誠学長もおっしゃっていましたが、なかなか今の若者は海外に行って学ぼうとしなくなってしまった。非常に居心地のいい日本で安住してしまっているということに、情けない思いだとおっしゃっていました。

しかし、失望してはならないと思います。こういうふうに国が厳しくなってくればくるほど、追い詰められれば追い詰められるほど、火事場の馬鹿力ではありませんが、ものすごく強くなってくることは明らかでありますから、失望する必要は全くないと思います。

去年の8月、夏休みの2週間、富士吉田市で、理科の好きな中学生50人を集めた合宿が行われました。ノーベル賞受賞者を講師にして、勉強会をし、私も講師として招かれお話させていただいたのですが、終わってから感想文をもらったら、驚くほどレベルの高いものでした。こういったdnaを日本人は宿しているんですね。また、日本人であるからこそできるということがいっぱいあるわけです。そういったものを私たちはここで信じて、ご支援することが何よりも大切だと私は思っています。

そういった意味におきまして、私が日頃活動している団体で、先生方が望んでいらっしゃる「明るい日本の国づくり」ということに挑戦しておりますので、ご安心いただきたいと思います。特に最近は、東大の元総長の小宮山宏さんと一緒に活動しております。「プラチナ構想ネットワーク」を昨年8月24日に立ち上げ、全国の知事や市長が集まって、昨年12月に、発表会をしていただきました。全国の知事、市町村長と我々が一体となって、地域の特性を生かした活性化ということをやっております。

このたび宮城県の村井(嘉浩)知事から頼まれまして、小宮山先生が復興会議の議長に就任され宮城県のご支援を始められた。東北3県のみならず全国各地に「小宮山構想」が生かされればよいと思っております。

こうした活動からも、先生方のご指導・ご支援・ご理解を得ながら、我々は地方自治体の小さなところからお手伝いを始めております。

先ほども申しあげましたように6月16日、福井県に参りますが、調べれば調べるほど素晴らしい県でございます。特に私が感心しているのは大家族主義。3世代が同居していますから、女性が出産した後、すぐ働きに出られる。また、教育レベルも福井県は日本一ですね。お隣りの富山県も秋田県もすごいのですが、福井県の凄味というのをあらためて学ばせていただきました。

こういったものが残っている。日本の将来を考えるとここにどうつないでいったらいいのかということが我々の課題かなと、こんなふうに思っております。この国の未来というのは決して失望する必要はなかろう。

日本の歴史が始り、長きにわたり、絶えずこういう事態は繰り返し、繰り返し起こっているわけで、徳政令も40回ぐらい発せられたと聞いております。こういう国柄でございますので、これから何が起ころうとも、我々は、動じることはないのではないでしょうか。

もっと申し上げれば、国の垣根がどんどん低くなっていくわけでありますから、地球村と言ってもいいと思うんですね。地球全体が1つの村みたいになっていく。その中で我々、50年、100 年先、どういうシナリオを描いて、どう対応すべきか。そういう時間軸、空間軸も必要なのかなと。経団連においても今、50年後の日本、どうあるべきかというプランを作っている最中でございますが、また先生方のご指導を仰ぎながら、この国づくりに、挑戦をしていければと、考えております。

震災を受け、日本は今、意識をリセットするチャンスです。次の震災はいつ起きるかわかりません。今回の失敗から学び、リーダーがリーダーシップを発揮できなくては国民が救われませんので、是非とも皆さんにはリーダーシップを発揮できる体制を作り、リーダーシップを発揮していただきいと思います。


質疑応答
下村政策委員長

ありがとうございました。ぜひ皆さんから率直なご意見ご質問等あれば、出していただきたいと思います。いかがでしょうか。大竹会長、配布していただいた資料の「人づくりが国づくり」の中の<グローバルな人材教育を>というところについて、折角つくっていただきましたので、もうちょっとこの資料でご説明していただければと思います。よろしくお願いいたします。

大竹最高顧問

これはまた下村先生にもご指導願いたいと思っておりますが、下村先生は「人間学」という言葉が大好きでございます。私も実は「人間学」、人間はどうあるべきか、根源的なところ、原点をしっかり押さえてかかる必要があろうと思っていまして、今、そのための勉強会を、有志で集まってスタートするところです。義務教育の中には当然カリキュラムとして入らないと思うので、私塾でやろうと思っています。

ヨーロッパ、アメリカのエリート教育など見ていましても、そこが非常にしっかりしているように思うんですね。宗教や文化や、いろんな違いがあろうかと思いますが、それを乗り越えて、プラットホームをつくり、そこで共通言語を開発して磨き上げていく、そういったことが今、ものすごく必要ではないかなと、私は思います。

特に明治維新以降は、西洋かぶれというか、ああいったことでやむを得なかったと思うのですが、そればかり横行してしまった。私も50年間アメリカの企業にいますが、日本人でございますので、やはりアメリカ人の欠点をいやというほど見せつけられてきたわけですね。矛盾だらけの中で、それを論理的に組み立て、我々が立ち往生という状況になっていることもしばしばでございますが、私は日本人でございますから、日本人としての誇りを絶対に失いたくないということがまず第1点。

日本人だからこそできる。ヨーロッパ、アメリカの方々に対して、尊敬されるようなことはいくらでもできるわけですね。それが今だと私は思っているわけです。

ちょうど文明のダイナミズムで、2001年がクロス・ポイントだったのですが、西洋文明が眠りについて東洋文明が覚醒した時だと私は思っています。だからこそ人間力というものを基礎にして、東洋の思想というものをしっかり西洋人にも教えてさしあげることで、地球村の中での存在感が一層高まるのではないか。

アメリカの専門家方からも私はずいぶん頼まれているんです。東洋の研究したい、日本からもっと学びたいと。そういった交流が実はまだ十分にできていないという面もございます。特に私が残念に思いますのは、海外広報活動が十分にできていないこと、この国は。今こそ日米相互理解が重要な時代であると思われます。二カ国において抱えている問題は複雑で、多岐にわたり、難しい課題が山積みですが、逃げることなく真正面から、本音で議論を戦わせることで、信頼関係を強化すべきであると考えます。このへんにも、もっともっと力を入れていただきたいなと思うわけです。そのベースになるのが、下村先生からご質問いただいた点であり、我々が論理的に組み立てていくという、作業に入ったところでございます。

下村先生もよくご存じですが、既に学校教育で、成果を上げている学校、少ないんですけど、モデルがもう出ているというんですね。それをどうやって全国の公立・私立に普及していくか。時間のかかる難しい点であろうかと思いますが、これは避けて通れない。明治維新以上の変化の時ではないかと思っていますので、日本人だけでこの国づくりをやるのでなくて、全世界の有識者も交えて使っていくということが何よりも大切なのだろうと思っております。

下村政策委員長

先生方から、いかがでしょう。

細田博之副会長・事務総長

私もユダヤ人と付き合っているものだから、つくづくそう思いますね。長い間迫害されてきたこともあり、ユダヤ教の影響もあるでしょうけど、子供たちを能力ある者に育てて、もちろん所得も上がるけど、リーダーとして育てていく。そこで力を持って、べつにお互いに共同しているとは思いませんけど、伝統があるわけですね。

ところが日本の場合、今の学校教育は明らかに“平凡でおとなしく、論を好まず、平和な子供が育てばいい。べつに能力は問わないし、そのためのエリート教育をする必要はない”という基本思想ですよね。それがあらゆるところにいっていますから、我々エリート教育の学校を出たということもあって、これでは社会を引っぱる一部の人、技術者にしても政治家にしても行政官にしても、金融にしても、リーダーが引っぱって国民所得を上げているという厳然たる事実から目を覆ってしまっているわけですね。目を覆わず、リーダーの下に──べつに政治的リーダーである必要はない。技術的リーダーも含めて、リーダーの下で所得を上げて、みんなで分け合うという、その基本の認識が全然ないと思うんですよ、我が国は。

もう一度、そういうふうに国際社会はできているし日本もできているんだという認識をどう持たせたらいいのか。日教組を批判して“お前らバカじゃないか”というのも、勿論いいんだけど、先生方が何も知らないですから。つまり、これから子供たちが自立心を持って生き抜いていって、特徴を持って、社会のあらゆる分野でリードしていくような人を育てていかないと社会がダメになるという意識は、先生方に全然ないわけです。

私の同級生で、中学校の校長しているのがいますが、そういうことをやらなきゃダメだろうと言っても、まあ、ポカンとしているわけですね。もっと平凡かつ平和主義で社会のために尽くして、悪いことしない人を育てるほうがいいと。これは、いわゆる国粋主義とかそういうことと関わりなく、世界において競争力を弱めるもとになっている。そこに一擲(いってき)を加えたり、それぞれが努力し、結果としてリーダーが育っていく方法は何か。そこが一番大事だと思いますので、先生の一番のご努力の点はどこかという、特に教育面で伺いたいと思います。

大竹最高顧問

細田先生にご指摘いただいた点が実は私個人にとっても挑戦目標です。 私は裸一貫で仕事をしてきた人間でございまして、1人で考え1人で行動して今日を築いた人間ですから、既存の企業の方々と相容れないところがあるのですが。、どう考えてみても、いま先生におっしゃっていただいた点は、この国の場合、画一主義というか、教育もそうだし、社会の仕組みもそういうふうになってしまっていますから、国家に甘えて、あるいは親方日の丸企業だけが大きく伸びたという厳然たる事実があると思うんですよ。私は個人的にそう思っています。

40年前に反省し、新しい道を歩むべきだった。これで今後やっていけるの? というと、そうではないですよね。ですから、いま先生におっしゃっていただいたような、人材をどう育成して、どこの国でも生きていける。、しかも弁護士の資格あり、公認会計士の資格あり、医者の資格があると。1人で3つぐらいの国家試験に受かって、いま医者をやっているけれども、何カ月か経って行ってみたら弁護士事務所をやっている、同じ人物がね。

そういうことに私はしばしばアメリカで遭遇しましたが、凄いなと。どの国に行っても生きていけるように育てられているんですね。そこのところがすごく魅力的に映るわけです。日本人をそこまですぐに持っていけるかというとなかなか難しいと思います。50年 100年、もっとかかるのかもわかりませんけど、確実にその方向に向かっていると思えてならないんですね。

もっと言えば、知識偏重とかそういう教育ではなくして、その人自身が持っている個性、こういったものを自分で見つけ出すとか、先生に見つけていただくとか、ご両親とか親族に見つけていただいて、引き出していく、それを育てていくという教育、こういったことをやはりやっていく必要があろうかと。そのためには母親、父親、あるいは社会全体が、そのことを認めていただかないと、できないわけですね。偏差値教育を残したままでは。

私の孫も来年大学入試なんですが、いろいろ選んで苦しんでいるようです。親はとにかく本人任せということにしていますから、我が家の場合は。名門大学に行けとかいうことは全然考えていません。本人がやりたいことをしっかりやってもらって、一生かかって勉強してもらえばいいと思っているわけですね。何としても大学に入らなくてもよろしいと思うし、本人が納得する人生であるのが一番幸せですから。私の場合はそういうふうに考えていますが、世の中は、そうはいかないんですね。

ここのところは社会全体の問題ですから、正直申しまして、小さな問題ではないんですね。だから、少々の努力では解決できない。しかし、確実にそこへ織り込まれていると思うんですよ、この国は。好むと好まざるとにかかわらず挑戦せざるを得ないと。そこまで来ればこの国は変わると思いますね。大震災であったり戦争などそういう何かがない限り動かないと私は思えてならないんです。でも、それでは遅いんですね。惨憺たる状況になってから這い上がるというのは容易ではないので、今のうちからできるだけ早く方向転換すべきところはしなければならない。それにはどうしても先生方のお力をお借りするしかないと思うんですよ。

昨日も大学で話したのですが、アメリカ合衆国においては“教育サミット”というのが開かれているんですね。年に1回、50州の知事が集まります、50人。それから学校関係者、大学の学長が50人、財界の代表が50人。150 人でやるんですよ。

鳩山邦夫さんが文部大臣の頃、ここに参加しないかと申し上げたんですよ。そこへ行けば、議論されているわけですから、企業サイドのニーズも大学側へストレートに伝わるんですね。三者三様、それぞれ議論していただく。長年続いています。その日は朝から晩までテレビで放送しています。pbs(public broadcasting service)でやっています。それで、あのような教育体系ができているということなんですね。

教育も今はグローバル・スタンダードですから。日本だけで特殊な教育をやっていても始まらない。個性的な教育はいいんですが、やはり世界に通用する教育、人材育成、これは相当急がないとならないと思いますう。我々が、小学校の頃、英語は公用語になるよ、と言われたわけですよ、60年くらい前。でも今、こんな状況ですよね。

やはり「人間力」という、下村先生のおっしゃっておられることが原点ではないかと思うんですね。何のために生まれてきたのか、どこに行こうとしているのか、神様からどんな能力を与えられているのか、謙虚に真面目に向かい合っていくことが何よりも大切なので、そこからスタートしないことには、尊い生涯、満足のゆく人生は、つくりだせないのではないかな、私はそのように思えてなりません。

下村政策委員長

ありがとうございます。礒崎先生、どうぞ。

礒崎陽輔政策副委員長

私は下村先生の下で日本語教育をやってきたので、日本語も大事だけど、お話のあった英語ですね。今、小学校5~6年生の英語のちょっとした授業が始まったんだけど、惨憺たる状況ですね。学校の先生、英語わからないから英語よう教えんと、外国人教師を雇っても、うまくいかないということが学校現場で起きています。グローバルも、そんなに難しいことではなく、英語が喋れれば、もっと日本人はバーッと出て行けると思うんですね。ところが、日本人は英語力が、私も大したことないんですけど、ものすごく低い。その根本的な原因を究明しないと、単に授業数を増やすとか……。もちろん授業数を増やすのは効果あると思いますけどね。韓国人でも中国人でもあんなに英語を喋れる。

rとlの区別がないのが大きいと思いますね。聞こえないんですよね、日本人。母音と子音の数が日本語は極端に少ないから、英語が聞こえない。最高顧問は外資系だからお上手だと思いますけどね。英語教育を抜本的にやって、まともに勉強した日本人が英語をちゃんと喋れるようにならないと、日本は今からダメだと思います。

それから細田先生も言いましたが、今の子供たちはおとなしいんですね。子供たちだけでなく20代、30代ぐらいになってもほんとにおとなしくて真面目で、何が面白くて生きているのかというようなのが増えています。これは平和なのがやっぱり大きいと思いますね。平和というのは、成長があればいいですけど、成長しないから。

私は若い頃、県庁の青少年課長もやっていたのですが、世の中は歴史的に発展するというイメージが若い人にないんですね。だから、混乱でも何でもいい、世の中が動いているというのがあれば、子供たちも若い人たちも頑張るという気になるんだけど、どうも同じ世の中がずっと続いているものだから、閉塞感さえも感じていないのかもしれない。こんなものだと思っているから、個性のない人間が育つんじゃないかなと思います。

最後に1点だけ。危機管理の話がありました。私は役人のとき、小泉内閣で有事法制つくった人間なんです。今度も、国民保護法というのがあるので、これを適用できれば随分できたなという感じはします。今は有事か大規模テロにしか適用できなくなっているんですけど、こういう大災害で……。そのまま持ってくるかどうかはもう少し検討しなきゃいかんですけど、先生のおっしゃるように、あれは総理大臣に権限が集中する。本部長というのはそういうことなんですね。普段は閣議だけど、閣議で大枠が決まれば、本部長たる総理大臣がワッとやれるという制度なんです。

今度の原子力災害対策本部も、緊急災害対策本部も、できるんですけど、彼は勘違いして、要らんところで勝手に決めるわりに大事なことで権限を行使していない。そういうところが見られましたので、もう少し法制的に……。今の憲法の中でもできることはかなりあると思います。

大竹最高顧問

おっしゃる通りですね。そのあたりをぜひ、国民の一人として切望しています。それは本当におつくりいただきたいと思います。

礒崎副委員長

やりたいと思います。

大竹最高顧問

先生の最初のお話ですが、私の周囲にも沢山います。たまたま生まれた環境が良くて、外国人が家の周辺に沢山いて、子供の頃から遊びで英語を覚えちゃう。受験英語じゃないんですね。自然に身につくんですね。

例えば、料理を習いながら英語教育を受けている方もいらっしゃいます。必要性がないと、何のために英語を勉強しているのか、目的がはっきりしないと、身につかないと思うんですね。いつか役に立つだろうというのでやっているのと、ほんとに切実な思いで取り組んでいる韓国、中国。全世界で働かないと生きていけない、生きるために英語を身につけるという。とすると本気になって短期間のうちに習得してしまう。日本に来ている外国人だって、短期間に日本語があれだけ喋れるようになる。そこのところを学校教育でカバーしなくてはならないと思います。

私実は、校長先生、教頭先生が集まる、つくばでの合宿の講師として毎年、90分、お話させていただいています。こうしたことも必要ですが いま教師になった方にもこうした教育も必要ではないかと感じています。 細田先生がおっしゃったのですが、学校の先生ご自身が、まだお分かりになっていないんですね。学校という小さな単位の中で生活されているわけですから、国際観とかが欠如している。もちろん「賢者は歴史から学ぶ」と言いますが、歴史観もすごく大事になってくると思います。ましてやこれだけものすごいスピードで世界が変わりつつあるわけですから、その変化についていかない限り、役に立たないと思うんですよ。教え方が分からないという。

このあたりをどう解消したらいいのか、という根っこの問題を、皆さん、先生方が、またご指導いただいて、歩調を合わせていただければと願っております。

もちろん、日本語がしっかりしないと英語力も身につきません。日本語がまずあって、そして英語という順番なんですけど。理数系に秀でている生徒さんたちと接していますが、やはり国語力がすごいですね。そういうお子さん、見ていますと。

礒崎副委員長

受験英語とか、例えば数学はいろんな人が方法論を教えるんですけど、いわゆる英会話については、出来る人があんまり……。

大竹最高顧問

ブロークン・イングリッシュでいいんです。恥ずかしがらずに。

礒崎副委員長

いいんですよね。でも、こうすればというところを何か……。もうちょっと使えるといいと思うんですね。

大竹最高顧問

恥ずかしいなんてことはないので。ネイティブというか、アメリカ人じゃないんですから。我々には第2言語ですから。国際会議で喋ってる英語は、それぞれの国の訛りありますし、通じればよろしいわけですから。それ以上のものを求めているわけじゃありませんから。

礒崎副委員長

インド人とかパキスタン人の英語は通じませんけど、彼らは平気で喋っていますからね。

大竹最高顧問

私はアメリカ人と一緒にイギリスへ行ったとき、アメリカ人の英語がイギリス人に伝わらないんです。私が仲に入ったことあるんですけど。全然おかしくないんです。特に南部訛りですから余計に方言が強かったんですね。イギリスの方には全然つたわらなかった。

礒崎副委員長

スペイン訛りがあるんだ。

大竹最高顧問

そうなんです。言葉というのはそんなものだと私、思います。

下村政策委員長

アフラックは入社試験でtoeflとかtoeicとか、基準が何かあるんですか。

大竹最高顧問

いや、日本においてはセクションによって、ものすごく語学を必要とするところと、日本人相手の保険会社ですから全く必要としないところがあります。ただし、幹部になって会議なんかやりますね、相当の語学力ないと、昇進できませんので、そこは留学させるとか、選抜方式をとります。その前に、社長を選ぶときは社内外から候補者を出して1~2カ月間、泊まり込みで、その人間が社長として相応しいかどうか選抜します。

下村政策委員長

社長を選ぶのに多くの時間をかけるのですね。

大竹最高顧問

そうです。外部に委託して選ぶんです。細田先生からリーダーのお話が出ましたが、トップの責任は8割ぐらいあるんですね。知識、技術も必要です。しかし、人格、識見が問われるわけです。人を束ねるわけですから。一国の総理大臣、大統領と同じなんですね。先ほど習金平さんの話もしましたが、あの方が選ばれたのは、やはり「人間力」だと思うんです。だから中国の13億の民が従っていくんですね。あの方のおっしゃることなら、ということになるんじゃないでしょうか。

長勢甚遠副会長

今、危機的状況にある、リーダーシップが必要だというのは、主として政治家に求められているわけです。我が国は官僚システムというか、公務員制度が今日まであって、その力もすごく弱くなっていると思うんですが、公務員制度の仕組みを変えてしまわないと、しっかりした本来の活動ができないんじゃないかと思っているんです。そのことについて何かお考えありますか。

大竹最高顧問

生のご質問は根っこの部分だと思います。私も、金融庁の指導の下に会社をここまで成長させることができたんですけど、政治家と官僚が一体になっていただくことがものすごく重要だと思えてならないんですね。民主党政権になってから、政治主導という名の下に、お役人さんの活躍の場を狭めているといいますか。特に震災なんか見て全然現場が動かないというのは、やはり官僚の皆さんが動けないような状況をつくってしまったからかもしれませんね。

長勢副会長

同時に、公務員という名前の中に官僚も埋没しているわけですよ。言われるような官僚というものが、それなりのエリート層として活躍できるようなシステムになっていない、今の公務員制度は、と私は思っているんですよ。

大竹最高顧問

この資料を配布させていただいたのは、私は、日本青年会議所で「人間力大賞」、の選考委員長の職を仰せつかっております。それから、資料まだ皆さんの元に行ってませんけど、去年から始めたのですが、「公志園(こうしえん)」というのをつくったんです。野球の甲子園になぞらえて「公志園」としたのですが、民間においても志の高い方を見出し、応援しようという試みです。

一例を申し上げますと、武藤真祐先生という30代のお医者さんなんですが、東大の医学部、さらにはハーバードを出て、宮内庁に入省し天皇皇后の侍医をなさって、そして飛び出して、独居老人(独り暮らし)の方々がひっそりと亡くなっていく、あれを救わんがために、出前の医療、訪問医療を始めた方なんですね、30人ぐらいで。文京区で始められた。これは全国的な広がりを持っているわけです。高い志の下に始まっている。

お役所の方と先生の接点が、なかなかないものですから、私は国会議員の先生方のところへお連れして歩いて、運動を今しているところなんですね。これを政策の中にもまた採り入れてもらえないかと。

今、急速な高齢社会。私も東京都社会福祉協会の会長を4年間務めて、古川貞二郎さんに後任になっていただいておりますが1,300万人の都民のためにどうあるべきかということを考えたとき、すっかり抜け落ちている部分があるんです。これも厚生労働省の人のお力と国会議員の先生方のお力をお借りするしかないんですが、どういう仕組みをつくるべきか、テーマに取り組んでおります。

まずあるのはやはり「志」。高い志があって公務員になっていらっしゃる。その公務員の方々が「何のために、誰のために」ということをしっかり考えていただく。これが公僕だろうと私は思うんです。それがこの国をつくりあげてきたと思うんですね。もちろん国会議員の先生方と一体になって、今こそ、アメリカ合衆国を見習い、それを実現しているわけです。政治家の先生と官僚の皆さんが一体になって国づくりをやっていただいている。日本は結局、官僚と我々業者が付き合うことも必要であるんです。それを付き合ってはならん、という感じで、ズタズタにされてしまっているわけです。我々の分野で言うと、金融庁の人々は現場を全然わかっていません、正直に言いまして。付き合いがないんですから。

長勢副会長

そういう問題もありますが……。私も役人上がりなんですけど、我々の諸先輩から見て、だんだん我々を通じてその後輩になってくると、官僚というものが公務員化しているわけです。つまり、志がなくなってきている。それは社会全体がそうしてきたし、それを求めてきた、政治主導と称して、ということもあって、日本のリーダーシップは、発揮されるような公務員システムになっていない、ということのほうが私はもっと心配だと思います。

大竹最高顧問

なるほど。分かりました。長勢先生、そういう仕組みを今後どういうふうにつくっていけばよろしいのか、我々も民間人として考えていきたいと思います。

長勢副会長

官僚と公務員は違うと思うんですよ。それをはっきりさせた方がいいんじゃないかと思いますけどね。

大竹最高顧問

初めて聞くお言葉です、公務員と官僚は違うという。

長勢副会長

違いますよね、本来。違わなきゃおかしいですよ。何十万人も官僚がいるわけないのであって、そんなものでリーダーシップ発揮されたら、えらいことになっちゃう。

大竹最高顧問

ああ、そういう意味ですね。なるほど。そこらへんについてはやはりこの国の、今の時代に合った仕組みをつくっていただくことしかないのではないでしょうか。

長勢副会長

むしろ江戸時代はそうだったんですよ。官僚と公務員は違っていたわけです。

大竹最高顧問

なるほど。不勉強で申し訳ございません。そこらへんは素人でしていい勉強させていただきました。

下村政策委員長

ありがとうございます。それでは、山谷先生。

山谷えり子委員

福井出身の山谷と申します。福井意見は学力・体力日本一で三世代同居が多くて女性も働いて、実は救急車の出動率も一番低くて、社長さんの数も一番多く、失業率も一番低くて、食物繊維摂取量が一番高くて、宗教心もとてもあるということで、ほんとに日本らしい暮らしを少欲知足でやってきてるというのが実は底力の秘密かなと思っています。

先程、大竹最高顧問がアメリカと付き合ってきて、アメリカはイタズラもいっぱいして、そこを何とかしのぎながら、とおっしゃられたのですが、今、オバマはヘッジファンドと保険会社から、ものすごくお金をもらっていて、だから医療改革をやると言いながら、実は最後のところで骨抜きにした。でも、共和党より実は民主党のほうが金満体制で、それは政権を維持することに対して……。今、白人1人生まれて白人の老人1人死ぬ。だけどヒスパッニクは9人の赤ちゃんが生まれて1人のヒスパニックが死ぬという形で、ヒスパニックと黒人の割合が急速に、人口増で……。そういう中で生き延びていくためにやむを得ず、権力基盤をつくるために仕方ない部分もあると思うんですね。

日本から見たら、スーパー 301条とか日米構造協議とか次々と、むこう側に都合のいいことを、きれいな看板かけて、ゴリ押ししてきますよね。

大竹最高顧問

それは先生のおっしゃる通りです。

山谷えり子委員

たくさんの大変な思いをなさってきたと思うのですが、どういうふうに乗り越えてこられたのか。これからどうしたらいいのか。

大竹最高顧問

私も嫌になるぐらい、発狂しそうになるくらいでした。結局、共和党、民主党、政権の中枢にいらっしゃる方によく呼ばれまして、議会に、よく出入りさせていただいた。立派な先生方も多いんですけど、国という状況になると、あるいは党ということになっちゃいますと、先生おっしゃる通りなんです。ルールを勝手に、ご都合主義でコロコロ変えてしまいますから。

スポーツの世界でも同じなんですね。日本がメダルをどんどん取りだすとスキーの長さがどんどんまた変更と。ああいうアングロサクソン流のね。いつまでああいう傲慢なことができるんでしょうか、ということなんですね。

もっと言えば、アメリカはいつまで繁栄を続けられるのか。歴史的に興味のあるところなんです。完全に衰退の一途という状況じゃないでしょうか。

リーマン・ショックの時だってそうです。私はこの会社をつくってずっと株価に対して冷淡だったんですね。四半期ごとに株価で支配されているというのはいかがなものかと思っているときに、あのリーマン・ショックが起きて確信をもった。やっと私の言ったことが正しかったと思ったわけです。

そこでアメリカが反省したことは、投資家も言い出したことは、頼むから会社をつぶさないでくれ、株価なんかどうでもいいから、会社が生き残ることを考えてくれと。そういうふうにコロッと変わるんですね。只今はまた株価、株価と、戻りつつあるわけですけど。価値基準というのが全然違うんですよね。

私は何を申したいかというと、日本として、日本人として、ダブルスタンダーと言われても日本としての道筋を立てるということです。私も今、地域実情を知るために銀行を回っております。全国の信用金庫の理事長さんたちと会ってお話を伺うと、皆さん必死の思いで頑張っていらっしゃるんですね。町村先生の北海道はどちらかというと信用金庫が力を持っているわけです。地域というのは信用金庫によってもたらされる。信用金庫がきちんとしなければならないと思うんですね。

そういったときに、アングロサクソン流のああいったものなんか押しつけられてはならないと思うんです。これは金融庁も頑張っていただかないと困ると思うんです。「誰のために、何のために」というところが根っこですから。アメリカのために我々は尽くしているわけではありませんから。仲良くはしなければならないけれども。

平成の二宮尊徳とか、ああいった方が必要なんだと思うんですよ、今。それを私は東大の小宮山先生に期待して、先生と一緒に活動しているわけです。新生日本をつくろうではないかと。今、チャンスだと思いますね。出番だと思いますよ。先生方にもまたお力添えをお願いしたいと思っております。

下村政策委員長

ありがとうございます。さっき言われた世界の代表的な3人のリーダーが、チャーチル、ニクソン、そして岸信介元総理。

大竹最高顧問

いや、勝手なことを申しまして、すみません(笑)。

下村政策委員長

お孫さんがいらっしゃってますので、岸さんから一言、コメントがありましたら、お願いします。

大竹最高顧問

あら。そうなんですか。失礼しました。私が尊敬しているから申し上げたんです(笑)。先生が亡くなるまでずっといろいろお付き合いさせていただき、事務所によく出入りさせていただいておりまして。ありがとうございます。

岸信夫委員

祖父の名前を挙げていただいて、ありがとうございます。チャーチルのリーダーシップ、もちろん多くの方から尊敬されていますし、一つは言葉の力、チャーチル自身がノーベル文学賞をとっているわけですね。そういうところが日本人の、今たいへん問題になっている国際社会に対する発信力の部分で、大きな障害になっているのかなと思うんです。英語の話が出ましたが、私なんかも小学校から大学まで英語を習って、会社も商社だったものですから、そういう意味では、もっと出来なきゃいけないんですけど、残念ながら、なかなかなんですね。

例えば、アメリカにいたとき、ベトナム人が来るわけですね、何にも分からない人たちが1年後には英語もべらべらになっている。車もいつの間にかbmwか何か。すごいなと思うんです。それは勉強としての英語でなく、生きるためのツール、手段としての英語ですね。英語に対する考え方が日本人と全然違うのかなと。日本の教育自体も、結局、勉強としての英語を教えています。「this is a pen 」なんて言ってるアメリカ人、見たことないんですけど、日本人はここから入りますよね。英語教育を根本的に変えて、英語を使って何かをするということをやっていかないといけないんじゃないかなと思うんです。

大竹最高顧問

何とかして欲しいですね。岸先生のおっしゃる通りです。いい機会ですから、この時期を生かしていただきたいと思います。今、チャンスだと思うんです。こういう非常事態のときに何か変えられるもの、変えやすいもの、多分あるのではないでしょうか。

震災(津波)が起きなくても、この国は、大変だと私は思っていましたから、これに震災が起きてしまって、風評被害まで出でしまい大変なことになったと思いますね。

正直いって25年間空白だった。今日の資料の中にも書きましたように、1994年に『これでいいのかニッポン』という本をnhkから出させていただきました。ちょうど村山富市内閣で、中川秀直先生がたしか内閣総理大臣補佐でした。私の本を読んでいただいて、政府の財政審議会の委員に選んでいただいんですけど、本を読んでみて、あの頃と今も全く変わっていないんです、この国。ですから問題なんです。何とかしないと焦りを感じます、ほんとに。何でこんなに改革が進まないのだろうかと。

だから今回、チャンスなんです、この大震災という。ここでもう一度、意識をリセットしていただいて、根っこから議論していただく機会ではないでしょうか。これを何とか学校教育の中に採り入れていただいて、学校の先生も、もう少し本気になって取り組んでいただきたいと思います。日教組の強いところ、h2o(エッチツーオー)と言われますね、うちは広島なんですけど、北海道、大分もそうでございます。

礒崎副委員長

私の選挙区、大分(笑)。

町村会長

大阪も。

大竹最高顧問

ええ。そういうところから変えていくことが本当に必要ではないでしょうか。私個人で悩んでもしょうがないので、先生方のお力をお借りして少しでもよい日本国つくりに注力させていただきたいと思います。私は、産経新聞の取締役を6年間仰せつかっておりますので産経新聞と一緒に教育論議させていただいていますが、何卒よろしくお願いします。

下村政策委員長

ありがとうございました。

今日はアフラックの大竹最高顧問から、幅広い分野におけるお話をいただき、たいへん勉強になりました。お忙しいなか、ありがとうございました。



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